みなさん こんにちは。

 

AAの公認出版物『Pass It On(邦題:手渡してゆくもの)』には、Geneal Service Conference をトライアルで開催した時期があったことが書かれています。

 

その間に、Bill W. と Dr. Bob が 1950 年11月(ドクター・ボブが亡くなったのが1950年11月16日だった)にパンフレット “Your Third Legacy: Will You Accept It?” (邦題:3つのレガシー、あなたは受け入れますか?)が作成されました。

 


Bill W. と Dr. Bob によって発表されたこのパンフレットは、AAをどのように運営してゆくのがが書かれています。

 

 

 今回は、“Your Third Legacy: Will You Accept It?” の文脈を軸に、AA がどのように現在の民主的な運営体制へ移行したのかを詳しく説明します。

 

 

AA(アルコホーリクス・アノニマス)における General Service Conference(GSC)誕生の歴史背景を、より深く・体系的にまとめたものです。

 

 

1. AA 創設期(1935〜1940年代):創始者中心の運営

AA は 1935 年に Bill W. と Dr. Bob によって創設され、初期の AA は非常に小さく、運営はほぼ創始者の個人的な判断に依存していました。

  • メンバー数は少なく、地域グループも未発達
  • 文書作成、出版、広報、病院との連携などは Bill と Dr. Bob が直接担当
  • 組織としての「仕組み」はまだ存在しなかった

 

しかし、AA は急速に成長し、1940 年代後半には 全米・カナダに数千のグループ が誕生しました。
この成長により、創始者だけでは運営を支えきれない状況が生まれます。

 

2. 1940年代後半:AA の未来への危機感

AA の成長とともに、Bill W. は次のような危機を感じ始めました。

  • 創始者が亡くなった後、AA はどうなるのか?
  • 本部サービス(現在のGSO) 出版、Grapevine、広報 は誰が管理するのか?
  • AA の原理(12のステップや伝統などは)誰が守るのか?
  • メンバーの声を反映する仕組みがないままでは、組織が崩壊する可能性がある

 

特に当時、 Dr. Bob は健康を悪化させていたため、Bill は「創始者がいなくても AA が続く仕組み」を急いで作る必要を感じていました。

 

3. 1950年:パンフレット “Your Third Legacy” の発表

このパンフレットは、AA の歴史の中でも最も重要な文書のひとつです。

パンフレットが訴えたこと

  • AA には 回復(12ステップ)統一(12の伝統) に加えて、サービス(Service)という第三のレガシー がある
  • 創始者が AA を運営し続けることはできない
  • AA の未来を守るためには、メンバーの代表による民主的な意思決定機関が必要
  • その仕組みが General Service Conference(GSC)毎年行われるアメリカ・カナダサービス評議会現在は、93の地域と常任理事、GSO職員、Grapevine, Lavinaスタッフが参加している

 

Bill と Dr. Bob は、AA の未来をメンバーたち自身に託すために、「あなたは第三のレガシーを受け継ぎますか?」と問いかけたのでした。

 

4. 1951年:最初の General Service Conference 開催

パンフレットの提案を受け、1951 年に初めてジェネラルサービスコンフェレンス (GSC) が開催されました。

  • 各地域から選ばれた代表者(Delegates)がニューヨークに集合
  • AA 本部(現在のGSO)の活動を監督し、方向性を決定する
  • メンバーたちの声を AA の運営に反映する仕組みが始まる

 

これは AA が「創始者中心の組織」から
「メンバーたちによる民主的な組織」へ移行する最初の大きな一歩でした。

 

5. 1955年:St. Louis 国際大会での「権限移譲」

1955 年、Dr. Bob の死後、Bill W. は St. Louis の国際大会でAA の運営に関するすべての権限を正式にメンバーたちへ引き渡す と宣言しました。

 

これにより:

  • General Service Conference は AA の恒久的な意思決定機関となる
  • 創始者の役割は終了し、AA は完全にメンバーたちの手に委ねられる
  • 12 Concepts(サービスの原則)が制定される

 

AA はこの時点で、世界でも珍しい「創始者が自ら権限を手放した組織」となりました。

 

6. General Service Conference の意義

GSC の誕生は、AA の歴史において革命的な出来事でした。

  • 創始者依存からの脱却
  • メンバーたちによる民主的運営
  • 12の伝統を守るための仕組み
  • 出版、広報、財務などの透明性の確保
  • AA の理念を次世代へ引き継ぐための土台

 

Bill W. はこれを「AA が永続するための唯一の道」と考えていました。

 

AA の歴史は、創始者のカリスマではなく、メンバーたちの共同責任とサービス(奉仕)の精神によって支えられてきたということがよくわかります。

 

 

7.現在抱えている問題

コロナの影響で、オンライングループが増え、どこの地域のグループとして登録するかといった問題が出ています。

 

グループ代議員や、地区委員長が、登録しているグループとは地理上違う場所に住んでいる、といった問題も出てきました。

 

 

現在も、オンライングループのグループ代議員登録を認めていない地域や国が存在します。

 

 

今後、これらの問題についてどのように扱っていくのがが注目されます。

 

 

メンバーシップの多様化により、さまざまなバックグランドを持ったメンバーたちがいます。(人種、セクシュアリティ、言語や多様な特性を持ったメンバーの増加)

 

 

実は、アメリカ・カナダの常任理事会はビッグブック第5版に向けて、準備を進めています。そして、アジア系のメンバーやトランジェンダーのメンバーに向けたパンフレット制作を始めています。

 

 

こういった問題にどのように対応してゆくのか、Dr. Bobとビル・Wのスピリットをどのように次世代に引き継いでいくのかが、注目されます。

 

 

今回も、最後まで読んでくださって、どうもありがとうございます。