15の春。本来なら皆何もかも美しく感じるはずの季節。私は初めて過去と向き合うことになる。
学費の援助を引き受けてくれた父方の一番上の兄(伯父)は、私にほとんどを話した。
「君が生まれる前、君の父は・・・うちで働いていた。しかし仕事に来ないから かばえなくなってしまった。いろいろと迷惑も被った。」
伯父は淡々と一つ一つ話し始めた。
「君を生むことに親戚は、皆は反対した。しかし堕ろすには遅くてね。仕方が無いから結婚式の準備もしたんだが 君の父がその支度金を全て遊びに使ってしまったんだ。」
私は 黙って聞いていた。
「それからは 愛人を作って入り浸るし・・・もっともその女にははやく別れるようには話したんだがね」
伯父は知っていたのだ。その女がどういった人なのか。私達がほったらかしにされていたことを。
「君の祖母を通して君達に援助はしてきたんだが・・・あまり力にはなれなかった。」
伯父はため息をついてそういった。
「血のつながりはどんなに頑張っても消えない。どんなに離れても何らかの形で君の父親は十中八、九君の人生に現れるだろう・・・
」
伯父は少し悲しそうに私を見て言った。
「高校は出なさい。後に役に立つ。」
そういって支度金を私に渡した。
このときの私は、泣かなかった。泣けなった。本当の母子家庭になったのだ、長女として家族を守らないと しっかりしないと ・・・そればかりが頭にあった。強く 強くなりたかった。
けれど 強くなれたわけではなった。その後 私は強烈な原罪意識に苦しめられる。母を苦しめたのは私だったのだ。存在したから母は幸せになれなかった?父は違う人生を歩んでいた?兄弟はもしかしたら違う場所に生まれて幸せだった?答えなんて絶対に見つからない問いに私は追い詰められていた。存在すること。こんな当たり前のことにものすごく苦しんだ。何度となく廻る迷宮のように。誰にも助けられない深い深い井戸の底で。 光も何も無い世界に私は見えていた。手を伸ばしても 何も届かない、声も誰にも届かない。とことんまで私は私を追い詰めた。どうして死ねないのか、堕ろさなかったのか、殺さなかったのか。狭い深い闇、光の差さない場所、そして誰のことも責められない。
ただ、今は誰のことも怨んでなんかいない。怨めばそっくり自分に帰るのだ。母を怨めば自分の存在の否定になり、父を怨めば生きることの否定になるのだから。ここまで来るのに10年もかかってしまったけれど・・・許し、受け入れることは、たぶん間違えていないはずだと信じたい
生んでくれた 母に感謝して・・・ありがとう
学費の援助を引き受けてくれた父方の一番上の兄(伯父)は、私にほとんどを話した。
「君が生まれる前、君の父は・・・うちで働いていた。しかし仕事に来ないから かばえなくなってしまった。いろいろと迷惑も被った。」
伯父は淡々と一つ一つ話し始めた。
「君を生むことに親戚は、皆は反対した。しかし堕ろすには遅くてね。仕方が無いから結婚式の準備もしたんだが 君の父がその支度金を全て遊びに使ってしまったんだ。」
私は 黙って聞いていた。
「それからは 愛人を作って入り浸るし・・・もっともその女にははやく別れるようには話したんだがね」
伯父は知っていたのだ。その女がどういった人なのか。私達がほったらかしにされていたことを。
「君の祖母を通して君達に援助はしてきたんだが・・・あまり力にはなれなかった。」
伯父はため息をついてそういった。
「血のつながりはどんなに頑張っても消えない。どんなに離れても何らかの形で君の父親は十中八、九君の人生に現れるだろう・・・
」
伯父は少し悲しそうに私を見て言った。
「高校は出なさい。後に役に立つ。」
そういって支度金を私に渡した。
このときの私は、泣かなかった。泣けなった。本当の母子家庭になったのだ、長女として家族を守らないと しっかりしないと ・・・そればかりが頭にあった。強く 強くなりたかった。
けれど 強くなれたわけではなった。その後 私は強烈な原罪意識に苦しめられる。母を苦しめたのは私だったのだ。存在したから母は幸せになれなかった?父は違う人生を歩んでいた?兄弟はもしかしたら違う場所に生まれて幸せだった?答えなんて絶対に見つからない問いに私は追い詰められていた。存在すること。こんな当たり前のことにものすごく苦しんだ。何度となく廻る迷宮のように。誰にも助けられない深い深い井戸の底で。 光も何も無い世界に私は見えていた。手を伸ばしても 何も届かない、声も誰にも届かない。とことんまで私は私を追い詰めた。どうして死ねないのか、堕ろさなかったのか、殺さなかったのか。狭い深い闇、光の差さない場所、そして誰のことも責められない。
ただ、今は誰のことも怨んでなんかいない。怨めばそっくり自分に帰るのだ。母を怨めば自分の存在の否定になり、父を怨めば生きることの否定になるのだから。ここまで来るのに10年もかかってしまったけれど・・・許し、受け入れることは、たぶん間違えていないはずだと信じたい
生んでくれた 母に感謝して・・・ありがとう