「芝居の月組」ゆえに今後どんどん進化＆深化していくと思いますが…
取り急ぎ初日から4公演を観ての感想です。
順不同。
専科からご出演、次回からは月組の組長となるみとさん（梨花ますみ）は菅原家の女房頭、桂木。
生まれた時から着てました？というくらい女房装束が馴染んでいて流石の一言。裾の長い十二単衣だけど決して姫君の動きではなく、邸内で働いてる感じが分かる捌き方。でも品はある。
幼少の頃から知っている道真はもちろん、家の主人である是善（道真の父）ですらガミガミ叱っちゃうけど、愛情を感じるのはみとさんご本人の人柄もあるかな。
たぶん菅原家の誰も桂木には頭が上がらないんだろうなぁって感じが好きw
その桂木の雇い主、菅原家の当主であり道真の父親、菅原是善はやすくん（佳城葵）
月組の中でも特に芝居功者のおひとり。
冒頭で別の役（百鬼夜行に攫われる酔っ払い）をやってるけど、ぽんっと舞台に乗っかって芝居に入るのがほんと上手い。
本役の是善も飄々としている面と、厳しい父親の面をバランス良く見せて印象に残ります。
あと、平安装束が似合いすぎ！ひな飾りのお人形のようです。
菅原家に仕える若い女房、白梅はみちるちゃん（彩みちる）
女房と言いながら菅原家にはほとんどいないけどなw
道真の周囲をうろちょろする賑やかし担当なので、みちるちゃんの繊細な芝居力はあまり発揮できない役かも。でも明るく元気な持ち味にはとても合ってます。
原作でも人気のキャラですが、お顔立ちはあまりよろしくない、という設定。メイク上手なみちるちゃんらしく、美人じゃなくてちょっと野暮ったい女の子に仕上げてました。まぁそうは言っても、元が可愛いですから醜女にはなれませんけどね。
そういう意味では道真もね、原作では「美しくない」とまで言われてるけど、れいこちゃん（月城かなと）から美を消すのは無理だからな………宝塚あるあるw
白梅と一緒に道真の周りをうろちょろするもうひとりの賑やかし担当、紀長谷雄はあみちゃん（彩海せら）
こちらも原作に寄せたメイクでちょいブス可愛い少年に。あのキラキラあみちゃんがここまで長谷雄になるなんて〜とおったまげたよ（by俊藤さん＠ロマ劇）
お調子者で思ったことをすぐ口から出してしまう、けど何だか憎めない…そんな長谷雄くんそのものでした。
道真に追従して出世するのを夢見るシーンでは「おいおい調子良すぎだろ」とツッコミそうになるんですが、実在の紀長谷雄さんは確かそのコースで出世するんで……ツッコめない😅
道真の幼少時代、阿呼と呼ばれていた頃を演じたのはちのちゃん（一乃凛）
めっちゃカワイイ！歌うまーい！
「すごい？あこすごい？」の言い方でお兄ちゃん大好きなんだな〜というのが伝わってくるし、その後の兄の死が道真に与えた影響が計り知れないことがわかる。
その道真の兄、吉祥丸はるおりあくん（瑠皇りあ）
弟・道真にはもちろん、敵役である藤原基経にも強い印象を与えた人物として描かれている。主役と敵役をつなぐ人。
実際の舞台上で道真と基経はほとんど会わないからこそ、吉祥丸の存在感がすごく重要なんだけど、芝居も歌もめちゃくちゃ良かったです！
新人公演主役を取って欲しいな…その実力はあると思います。
吉祥丸に興味を抱く幼少期の基経、手古と呼ばれていた時代を演じるのはりりちゃん（白河りり）
本当にお芝居上手いなぁ……まず、声が良い。歌がうまい人は声を操るのもうまいのだろうか。
第一声から自意識の高い少年というのが良くわかるし、現在の基経につながる神経質っぽさも感じられる演技でした。
りりちゃんはもうひとつ、昭姫の店の娘（店員）役もやってますが、こちらの娘たちの中心はおはねちゃん（きよら羽龍）とみかこちゃん（羽音みか）
小柄なおはねちゃんと背の高いみかこちゃんの組み合わせは見ていて楽しいし、少しだけソロで歌ってもいますが、まあ、あんまり演りようの無い役だよね😅
りりちゃん含め、歌が上手い娘役さんたちは多いのだから番手にこだわらずもっと歌わせたらいいのになぁ。
（ショーのエトワール役替りだけじゃ勿体ない）
昭姫の店と言えば、おそらく一番インパクトを残しているのは用心棒役のまるちゃん（大楠てら）でしょう。
背が高くスキンヘッドで強面メイク…最近のタカラジェンヌはすごいよね。安徳海（雪組「蒼穹の昴」天月翼さん）といい、物乞い（星組「ディミトリ」美稀千種さん）といい、そこまで作り込むのかー！ってメイクでね。
まるちゃん大拙は、無愛想ながら実は優しいところがチョイチョイ見えてギャップがたまらん！
最後の乱闘シーンではあみちゃんの乗った荷車を曳き廻してて「同期だ！😆」ってなりました。
続きます
（メインキャストにたどり着くのはいつw）
