東京公演完走おめでとうございます!
次の公演からなっちゃん(夏月都)、はーちゃん(晴音アキ)、よしのちゃん(佳乃百合香)がいないのは寂しいけど、月組はもう次へ向かって走り出しますね。
れいこちゃん(月城かなと)率いる全国ツアーチームは今週中に集合です。
ちなつさん(鳳月杏)チームは少しは休めるのかな?(配役気になってソワソワしてます)
ちなみに私は、うみちゃん(海乃美月)の例の発表は無いと思ってる派です。
さて、書けるだけ書こうキャスト別感想の第三弾は…
トム・ブキャナン役ちなつさん(鳳月杏さん)とニック・キャラウェイ役おだちん(風間柚乃さん)
トム…難しいよね。
宝塚スターがやるからこそ、よけい難しい。下劣にやろうと思えばとことん出来ると思うのだけど、それでは清く正しく美しい宝塚2番手さんにはNGな領域です。
とはいえ、やっぱりギャツビーが主役の物語なのでヒール役で無くてはならない。
ブログやTwitterでよく「トムは最低なやつだけど、ちなつさんが演るからカッコイイ」という意見を目にしたのですが、私は「ちなつさんが演るからカッコイイけど、やっぱりトムは最低だな」となるよう演じてるように感じてました。
だって宝塚のスターさんですよ?ちなつさんですよ?カッコよくて品があるのは当たり前じゃないですか。そちらは難しくないと思うんです。
ちなつさんはそのカッコよさと品をキープしつつ、どうにも嫌な男になるように(←観客からそう映るように)トムを作ってたように思います。
だって最終的に、やっぱり嫌なヤツだったもん!!(笑)
やっぱりやっぱり最低だったもん!!!!(笑)
でもそれが正解なんだと思うのです。
トムというキャラについては、何故ウィルソンに「あの黄色い車はギャツビーのものだ」と言ったのか…これについてずっと考えてしまいます。
トムは生まれてからこれまで、挫折とかマイナス思考を持っていなかったと思うんです。お金も家柄もあるし、見た目はいいしスポーツ万能だし。
浮気相手なんてものは彼の価値観だといつでも捨てられる都合のいい物扱いで、デイジーですら愛情ではなく己の勝ち得たトロフィー扱い。
傍には傲慢に見えても、トム自身はなんの後ろめたさも悪意もなく、そうすることは息を吸うと同じくらい当然に振る舞っていたと解釈できるんですが。
ウィルソンに「黄色い車の持ち主はギャツビーだ」と言った時は、トムは少しだけ己の中に、ほの暗い何かが芽生えていたのかもしれない。それを言うことでウィルソンが何をしでかすか、おそらく想像の範囲内にはあったと思うから。
妻への愛情では無かったと思う。己の保身のためなのか、ギャツビーに対する畏怖なのか・・・わからないけどね。
彼のこれからはどうなるのかなぁ。
世界恐慌は財産を切り崩しながら生き残るだろうけど・・・幸せでは無いんだろうな。幸せになれるはずのものを持ちながら、それに気づけなかった人、のように思います。
おだちんのニック。
こちらもまた難しい。
「出番多いよね」というおだちんファンの方のツイートを見て、あ、そう言えばそうか、と思いました。
それくらい印象に残らない、というか、とてもナチュラルに出ていました。
ナチュラルとは何も考えていない、という意味ではなく、舞台上で目立ちすぎないようコントロールされていたということ。
この物語はニックの成長物語でもあると思うし、ニックは観ている我々の代理人でもありました。
ギャツビーという主人公に対して「ちょっと胡散臭いな、いったいどんな人なんだ?」と思うことから始まり、最終的には「たとえどんな過去があろうと、君はグレートだ」と言い切ることができる。
ナチュラルで客席目線の役なのに、この作品の根幹を担うような大事なセリフを担当していました。実際、稽古場ではセリフの重さに口が回らなかったこともあったらしいです(東京MXのトーク番組・カフェブレイクより)
そんな難しい言葉ですが、決まりきった型にならず、毎回ニック自身の生きたセリフとして感じられました。
そこにピークが来るように計算されていたと思います。
それに対するれいこギャツビーのセリフも毎回生きて揺れ動いていたし、ふたりのやりとりには聞いていて皮膚がヒリヒリするような感じがしました。
どのキャラクターにも共感できないこの作品の中で、唯一ニックがまともな気がしました。
もし私がなるなら「ニックがジョーダンと別れた後に出会って、最終的に結婚する女性」になりたいなんて思いましたが・・・
ニック、証券マンですよね?
世界恐慌を切り抜けられるのかなぁ・・・
映画だと精神科にいません?(映画は途中で挫折したけど、冒頭は見ました)
心配です・・・(苦笑)
参加しています