もともと観る予定では無く、水友さんのピンチヒッターで観に行きました。
最近気になる宙組だし、真風くんだし、これは……浮気かもw

KAATは初めて行くので少し不安でしたが、着いてみれば記憶にある場所。
NHK-fmと同じ建物です←夏希さんのラジオ出演の様子を見に来たことがありました♪

客席のスロープがきつめで観やすそうな劇場です。
私は2階席でしたが、前列の人が多少前のめりでも問題なく観られました。
ただ2階席も3階席も柵が格子状なので、高所恐怖症の人は各階の最前列は怖いかも……ってCHICAGOがそれだわ私……大丈夫かしら( ̄▽ ̄;)

さて公演の感想。

石田先生のコメディ、と聞いて多少不安を抱いておりました。
でも話が破綻することもなく、なかなかに面白かったです。

そもそもコメディでは無かったですね。
一般的に「ヴァンパイア」「ドラキュラ」というとシリアスだったり耽美だったりしますから、それと違うイメージではありましたが。

現代的イケメン兄ちゃんなヴァンパイア。
ヒロインも「耽美」とは正反対のゴムマリみたいな元気印。ちょっとお子ちゃま。
等身大(?)の恋愛もの。

いつのまにか恋愛感情が芽生えてたり、ふいに吸血衝動が起きたり、展開が急で「!?」ってなる箇所もありましたが、それは長年のヅカファンスキルで適当に咀嚼w
他愛ないハッピーエンドもいいものだなぁ♪と、2週連続して神経衰弱しそうな芝居を観たあとで癒されました←

セットがとても素敵でした。
設定はPC、スマホ、SNSなんかが出てくる超現代。
でもやはりそこは「ヴァンパイア」の持つクラシカルなイメージも欲しい。
そんな相反するものをうまく調和させてました。
ゼンマイ時計って機械的なのにクラシック、正確なのに不可思議な感じもする。
うまいなぁ~と思いました。

宝塚も時代に合わせて変化しなきゃいけないし、チャレンジは必要ですよね。
にしても、変わったものだなぁ。
昔は某トップさんが「私たちは政治と宗教の話を(公の場で)してはいけないんです」と仰ってたものです。
でも今作は普通に芝居の中で宗教のこと出てくるし。

あと死生観ですか。
「永遠に生きるより、愛されて死ぬ方を選ぶ」
まあ、宝塚全体ではなく石田先生の考え方なんでしょうけど、それを押し出した作品も宝塚では珍しいと思います。

主人公のアルカード(←聞くたびに花粉症の薬を連想したw)って、積極的に人間になろうとしたわけじゃない。
気付いたらなってたというか、博士の命がけの実験で知ったという感じで、それってヅカの主人公としてどうよ?と思わなくもないんですけど。

「愛し愛される」だけではなく、そういった死生観をも受け入れることが人間化の条件だった気がします。
いろんな人々と関わって、その生きざまを見て、アルカードの死生観が変わったから人間になったんじゃないかなぁ。

ともに老いたふたりが交わす言葉。
あんな風に死ぬときに感じられたら幸せ……なのかな。