ゆうこちゃん(風花舞さん)主演の「プライヴェート・リハーサル」を観てきました。
ゆうこちゃんの役はパリの舞台女優リュシエンヌ。
美しいけれど董のたった、結核持ちでエキセントリックな女性。
リュシエンヌに関わる男性が3人。
10年来の恋人レイモン、新たに現れた青年ポール、そして過去の恋人フリッツ。
ポールとフリッツを同じ役者さんが演じたので、出演者はたった3人。
歌もダンスもないストレートプレイ。
15分の幕間を入れて2時間50分。
濃密な空間と時間でした。
感想として、まずは厳しいことを。
女優と俳優の話なので、一般人の身としては共感しづらかったです。
女優とは、芝居とは…と説明されても正直「ふーん、そうなんだ」としか感じられない。普遍的ではない。
また劇中劇として何度も出てくる「椿姫」
私はオペラを何度か観てますが、中には知らない人もいるんじゃなかろうか。
マルグリットの職業やアルマンの階級など、わからないと理解しにくいよね。
身内(業界)向けではなく一般人を観客とするのであれば、少し不親切というか不完全な作品であると思います。
ただ、たくさんの言葉は美しく洗練されていて、それを演じる役者さんたちの熱量と共に心に響きました。
特に、愛を花にたとえるのが印象的で、なおかつ考えさせられました。
一般人の私にとっても普遍的であり、答えの出ない謎が「愛」だからでしょう。
既に亡くなり花(愛)を贈ることが出来ないフリッツ。
10年もの間バラを贈り続け、ついに贈ることに疲れはてたレイモン。
新たにユリを贈り始めるポール。
リュシエンヌは枯れない花を望みながら、そのような物は無いといいます。
しかし最後は病気の身をおして造花のユリを作りポールに贈る。
最初から死んでいる、けれど色褪せぬ作り物の花を。
この造花は、役者が演じる芝居にも例えられます。
役者が造りだす虚構の世界、けれどそれを通して人々は本物を観るのだと。
舞台に立てないリュシエンヌが造り出した、ポールという若き俳優。
ポールは、死ぬ間際にリュシエンヌが残した「愛しています」のメッセージが誰宛なのか…フリッツ宛なのかレイモン宛なのか自分宛なのかがわからず混乱します。
リュシエンヌの残した造花を見て生花より美しいと言い、その愛を、その女優の存在を世間に知らしめようとするポール……
しかし最後はただ、愛するリュシエンヌを喪った哀しみにくれるポールがいました。
このラストシーンを観て私が思ったこと。
愛にしても芝居にしても…
愛してくれる相手の真実の気持ちはわからないけど
役者の本当の気持ちなんてわからないけど
そんなこと関係ないのだろう。
受けとる側=つまり自分がどう感じるかが重要なのだと思います。
造花を嘘だと思うのも、造花を生花より尊く美しいと思うのも、造花を見て生花を夢想するのも、すべて自分次第。
ツラい人生でも「おもしろかった」「幸せだった」と言ったリュシエンヌ。
きっと「幸福」も自分の捉え方次第なのでしょうね。
「プライヴェート・リハーサル」
7/24 19:00
7/25 14:00
日暮里d-倉庫
ゆうこちゃんの役はパリの舞台女優リュシエンヌ。
美しいけれど董のたった、結核持ちでエキセントリックな女性。
リュシエンヌに関わる男性が3人。
10年来の恋人レイモン、新たに現れた青年ポール、そして過去の恋人フリッツ。
ポールとフリッツを同じ役者さんが演じたので、出演者はたった3人。
歌もダンスもないストレートプレイ。
15分の幕間を入れて2時間50分。
濃密な空間と時間でした。
感想として、まずは厳しいことを。
女優と俳優の話なので、一般人の身としては共感しづらかったです。
女優とは、芝居とは…と説明されても正直「ふーん、そうなんだ」としか感じられない。普遍的ではない。
また劇中劇として何度も出てくる「椿姫」
私はオペラを何度か観てますが、中には知らない人もいるんじゃなかろうか。
マルグリットの職業やアルマンの階級など、わからないと理解しにくいよね。
身内(業界)向けではなく一般人を観客とするのであれば、少し不親切というか不完全な作品であると思います。
ただ、たくさんの言葉は美しく洗練されていて、それを演じる役者さんたちの熱量と共に心に響きました。
特に、愛を花にたとえるのが印象的で、なおかつ考えさせられました。
一般人の私にとっても普遍的であり、答えの出ない謎が「愛」だからでしょう。
既に亡くなり花(愛)を贈ることが出来ないフリッツ。
10年もの間バラを贈り続け、ついに贈ることに疲れはてたレイモン。
新たにユリを贈り始めるポール。
リュシエンヌは枯れない花を望みながら、そのような物は無いといいます。
しかし最後は病気の身をおして造花のユリを作りポールに贈る。
最初から死んでいる、けれど色褪せぬ作り物の花を。
この造花は、役者が演じる芝居にも例えられます。
役者が造りだす虚構の世界、けれどそれを通して人々は本物を観るのだと。
舞台に立てないリュシエンヌが造り出した、ポールという若き俳優。
ポールは、死ぬ間際にリュシエンヌが残した「愛しています」のメッセージが誰宛なのか…フリッツ宛なのかレイモン宛なのか自分宛なのかがわからず混乱します。
リュシエンヌの残した造花を見て生花より美しいと言い、その愛を、その女優の存在を世間に知らしめようとするポール……
しかし最後はただ、愛するリュシエンヌを喪った哀しみにくれるポールがいました。
このラストシーンを観て私が思ったこと。
愛にしても芝居にしても…
愛してくれる相手の真実の気持ちはわからないけど
役者の本当の気持ちなんてわからないけど
そんなこと関係ないのだろう。
受けとる側=つまり自分がどう感じるかが重要なのだと思います。
造花を嘘だと思うのも、造花を生花より尊く美しいと思うのも、造花を見て生花を夢想するのも、すべて自分次第。
ツラい人生でも「おもしろかった」「幸せだった」と言ったリュシエンヌ。
きっと「幸福」も自分の捉え方次第なのでしょうね。
「プライヴェート・リハーサル」
7/24 19:00
7/25 14:00
日暮里d-倉庫