観に行った舞台は基本的にブログに感想を残すことにしています。
ですのでこの作品についても書きます。

が、先にお断りしておきます。
褒めてません!
この作品を大絶賛という方はこの先は読まれない方がよろしいかと思います。
読んでから文句言わないでくださいね。
復讐しないでくださいねーーーー!←シャレにならん(^^;


では、感想。
ひとことで言えば 「ヅカ版の方が圧倒的に面白かった!」です。

とにかく長かったです。
1幕は「実際の時間より長く感じたなぁ~」くらいでしたが、2幕にいたっては「1時間ってこんなに長かったっけ!?」と。

役者のせいではなく構成に問題があるのだと思います。
まず、芝居に比べて歌の比重が大きすぎる。
もちろん芝居の中の歌ではあるのですが、舞台にひとりずつ登場して順番に歌うようなことが多く単調でした。
ドラマチックな楽曲は素敵だし、皆さん上手なので聞けるのですが、それでも1曲1曲が長く感じました。
私は芝居を観に来たのであって、コンサートに来たのではないぞ~!と思いました(^^;

そして、芝居の展開もバランスが悪く思われました。
エドモンが罪に落されるキッカケとなる「ナポレオンからの手紙」については、スクリーンの文字だけでバーッと説明して終了。
まるで「前回までのあらすじ」のようでした(^^;
こういうやり方は手抜きに思えて私は好きじゃないんですよね。その点、物語の展開の中で説明していたヅカ版はたいしたもんだ、とこの時点でヅカ版にポイント(笑)
そもそもヅカ版より上演時間が長いんだから、ここは芝居の中で説明できそうなものじゃないかと思うのですがどうなのでしょう。

1幕は、無実の罪で投獄されたエドモンが脱獄するまでですが、牢獄の中の様子はとっても丁寧に描かれていましたね。
ちょっと長めには感じましたが、それでも村井さんの演技が素晴らしかったし、1幕が終わるまでは結構楽しんで観ていました。

2幕になって、どう展開するのかと期待していた復讐劇。
ものすごーく端折ってありました。
え?こんなあっという間に?ってポカーンてするくらいスピーディ(^^;
悪役の3人が上手で存在感がある役者さんばかりだから良いようなものの…下手な役者さんだったら印象ゼロで終わってたかもしれない。

そして復讐後は単調なイメージでした。
いや、子供役のふたりに、悪役3人くらいの役者の重さがあればまた違ったのかもしれないけど。
爽やかな役にそこまでは無理でしょうし。

なんなんでしょうね、このアンバランスさは。
私は原作を読んでいないので、もし原作がそのような比重で描かれているのでしたら仕方ないかもしれませんが。
それでも、多少原作からはずれても面白く魅せてくれるのがエンターテイメントというものじゃないかと思うのです。

最初に「ガラコンみたい」というようなことを書きましたが、実際ガラコンが好きな方には楽しめる作品なのかもしれません。
でも私は歌より芝居が好きです。
主役のエドモンが復讐を通じてどう心境を変化させていくか、それをもっと観せて欲しかった。

エドモンは「復讐」をやんわり否定するジャコポに「これは正義だ」と主張しますよね。
その様子は何だか自分にそう言い聞かせているようで、自分でもわかっていながらそう言って自分の行動を正当化するしか無かったのかなぁと思われたのです。
だから、ひとつひとつの復讐を経て少しずつ変化していくのが観たかった。
そうしたら、最後にメルセデスの息子を許すシーンもストンと納得できたかもしれません←ここ唐突過ぎて感情が付いていけなかったです(^^;

既に書きましたけど楽曲はいいし、衣装も素敵だし、役者は上手いし。
ゆみこちゃんカッコイイし(出番少ないけど)、岸くんオイシイ役だし(歌って欲しかったけど)、さゆちゃん相変わらず美人さんだし。

いいところもあるだけに、なんだかとっても勿体ないなぁと思う作品でした。