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晴→雨→晴れ時々にわか雨

この日はポルトガル・リスボンを離れ、国境を越えてスペイン・メリダへ移動。
まずは2日前に事前チェックしてチケットを購入しておいたセッテ・リオス・バスターミナルへ。
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スペインもですが、ポルトガルでも鉄道よりバスの方が便利なように思います。
路線も多いし、便の数も多い。
この日の国境越えも、最初は鉄道も考えたのですが利便性でバスを選択しました。

車体もそこそこ綺麗です。
観光バスのように座席も高いので景色を眺めるのもいい♪

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まぁ、見えるのは牛と馬とヒツジ(←ユディちゃんを思い出す)
それからオリーブ畑とブドウ畑が延々と続く・・・という感じですけどね。

地平まで広がる牧草地に、最初はツァイテルちゃんとモーテルさんの「奇跡の中の奇跡」を連想したりしてました。
こんな緑鮮やかなの原っぱで嬉しそうにはしゃぐ二人が思い浮かんだんですよ。

でもあまりにも延々と続くので、いつの間にか脳内には「はるか~そうげんを~ひとつかみのくもが~」と『母を訪ねて三千里』の物悲しいメロディが(^^;←あのお話はアルゼンチンですが
そうしているうちに窓の外はどんよりと曇りだし、雨が降り始め、約3時間後に第一の目的地エルヴァスに到着したときはかなりの大雨でした。
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ちなみにバスの車内はすいていて、私たち以外の乗客は4人だったと思います。
ひとりのオバちゃんが携帯電話でずっと話していて(←いったん切れてもすぐまた掛かってくるの。人気者だなオバちゃん)
それがまたデッカイ声で、でも誰も注意しなくて、国によってルールやマナーは色々だなぁと思ったりしました。

エルヴァスはスペインとの国境にほど近い街。
そんな地理上の理由から領土を取ったり取られたりの歴史もあり、上の写真のような水道橋や城壁など観光するにもいい場所らしいのですが・・・
何しろ大雨だし、スーツケースも持ってるし、エルヴァスのバスターミナルから街の中心地までは距離があるしで観光するのは断念。
早々に国境越えを敢行しよう!おおっ!と決意しました(←おおげさ)

ところがエルヴァスから国境を越えてスペインへ行くバスを探すと、どうやら日に3本しかない。
この時点で昼の12時前、次のバスは15時台・・・orz
タクシーに頼ることにしました。

リスボンではなんとか通じていた英語もこの辺りではほとんど通じなくなっていましたが、バスターミナルで井戸端会議(?)していた地元のおっちゃんたちは紙切れにバスの時間を書いて「タクシーを使え」と身振り手振りで説明してくれたそうです。
(私がお手洗いに行っている間に旦那がおっちゃんたちに声をかけて尋ねていた)
いいねぇ、ほのぼのv

タクシーでの国境越え。
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いやぁ、あっさりしたもんでした(^^;

私が勝手にイメージしていたのは、国境というくらいだから高い山で隔てられてて、その麓の小さな村から細い山道をぐねぐね通って越えていく~って感じだったんですが。
実際はだだっぴろい平野の真ん中に敷かれた片道2車線の整備された道路をタクシーですっとばしているうちに、びゅんっと一瞬で国境越え。
「あ、今の看板にEUマークとEspanaって書いてあったー!」
一瞬すぎてふたりとも写真を撮れず(^^;

そしてタクシーが20分ほど走る間に雨もやみ、ポルトガル人のタクシー運転手さんが「バダジョス」と発音していた街、スペインの「バダホス」に到着。
Badajoz:Jの発音がポル語だと濁る(JA←ジャ、JO←ジョ)んですが、スペイン語はハ行になる(JA←ハ、JO←ホ)

車で20分、ほんのそれだけの距離なんですが、おおお!まぎれもなくスペインだ!
文字が読みやすい!

って少し変な感想ですが(笑)
ポル語はほとんど習っていないので文字を読んで何となく意味が判るくらい。
発音が合ってるのか不安で、リスボンではずっと英語で通してました。
(数字くらいは言われたら何となく判ったけど)
これがスペインに入ったらそれがかなり理解しやすくなって、がぜん強気になる私(^^;

バダホス駅でメリダ行きの電車(←1日に5便くらいしかない)の切符を買い、1時間半後の出発までにランチを取ろうと駅前の通りへ。
駅にも簡単なカフェがあったのですが、バルである程度ちゃんとしたものを食べたかったのです。

しかしバルは見つからないまま駅前通りの突き当りまで来てしまい、仕方なく駅のカフェに戻ろうと一本隣の少し狭い通りを戻って行く途中でようやくバル発見!
ちょっと覗いてみてイイ感じだったので入ってみました。

バルは地元のおっちゃんたちの社交場。
写真にはひとりしか映ってませんが、この左側には数人のおっちゃんたちと誰かの飼い犬らしきワンコがいました。
みんな立ったまま食べて飲んで喋ってます。
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店を切り盛りしているのも男性で、店内に女性がいないのが不思議なんですよねぇ。
このおっちゃんの奥さんたちは何やってるのかなぁ?

私はMENU DEL DIAを頼みました。
旦那は生ハムのボガディージョ(サンドイッチ)を頼んでました←これならカフェでも良かったね(^^;

MENU DEL DIA(メヌーデルディア)というのは日替わり定食みたいなもの。
1の皿(前菜)、2の皿(メイン)をそれぞれ3~4種の中から1品ずつ選んで、それに飲み物とパンが付きます。
タパス(おつまみみたいなもの)が付くところもあります。
銀座のスペイン料理店エスぺロのランチがこの形式ですね。

1の皿に選んだガスパチョ!
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少し塩からかったけど美味しかったぁ。
これまたスペインに来たって実感しました(^^)

2の皿は豚肉のソテー(付け合わせのポテトフライがてんこ盛り^^;)飲み物はビールにしました。
セットの飲み物がビールでもワインでもOKっていうのがまたスペインらしい。
タパスとパンが付いて7ユーロでした。


バダホスにいる間は雨がやんでいたのですが、電車で1時間ほどのメリダに向かう間にまた雨が降ってきました。
そしてここでちょっと不安なことが判明。
バダホス→メリダの路線は、その2日後にメリダ→マドリッドへ移動するのと同じ路線なのですが、車両の座席の半数が後ろ向きなのです。
(車両の中央に向くように座席が作ってあって、中央部分だけ向かい合わせの4人座席、残りの半数は進行方向に背中を向けるように座ることになる)
私は車酔いしやすいので、進行方向を向いて座らないと危険。路線は全席指定席。
このバダホス→メリダ間はすいていたので席を移動しても車掌さんはOKしてくれましたが、メリダ→マドリッドは4時間半の長旅。
マドリッド行きの切符を取る時には進行方向を向いた座席を取らねば!と心したのでした。

メリダ駅に到着したときはまたまた大雨。
でもタクシーを使う程の距離でもなく、傘を片手にスーツケースをがらがらしながらパラドール(スペイン国営ホテル)へ。
入り口がちょっと判りにくかったですが、通りがかりのおじ様&お姉さんに「すみませーん、パラドールはどこですかぁ?」と尋ねると、おじ様「パラドール?ここだよ(←ほんとにすぐそこだった^^;)だけど入り口はあっちだよ」と教えてもらって、無事に到着することが出来ました。

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パラドール・デ・メリダ
もとは修道院だったものを改装して国営ホテルにしたもの。
屋根の上のコウノトリの巣は作りものだと思ったら本物でした。
(鳥が全然動かないから作りものだと思ったんですが、1時間後に見たら鳥がいなかったのだ!笑)

ホテルにチェックインして、趣のあるホテル内をうろうろ見学しているうちにさっきまでの大雨が嘘みたいに空が晴れてきました。
パラドールの裏庭もこんな感じで快晴!
せっかくなので一ヶ所だけでも観光してこようということになりました。
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メリダは古代ローマ時代の遺跡が多く残る街で、これらの遺跡群が世界遺産に登録されています。
主要な遺跡6ヵ所に入れるセット券が12ユーロで売っていたのでそれを購入しました。
この日は円形劇場&ローマ劇場へ←このふたつを合わせて1ヵ所となっています。

こちらは円形劇場。
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ローマのコロッセオと比べると風化が激しいですが、もともとは2階まで観客席のある立派なものだったそうです。
ここでローマと同じく剣闘士の試合が行われてたとか。
ヤンさんの「スパルタカス」を思い出された方、お仲間ですね(^^)

こちらはローマ劇場。
今でも年に1度、演劇祭が行われているそうです。
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このローマ劇場を見ている途中で再び雨が降ってきてしまいました。
ここでも性格が出て、しっかり折り畳み傘を持っていた私は良かったのですが、夫は「絶対もう降らないよ」と傘を持ってこなかったので・・・あーらら(^^;
日本だったら傘に一緒に入れてあげて帰るところですが、二度と来れないかもしれない海外の街。
旦那には建物の陰で雨宿りしてもらって、私は傘を片手に隅から隅まで散策し、満足←

にわか雨だったらしく30分ほどで雨はやみましたが、遺跡の閉門時間になったのでホテルへ戻ることにしました。
ぶらぶらとお土産物屋さんを覗きながら帰ったのですが、こーんなTシャツも売ってましたよ(笑)
(ピンクのTシャツの絵、わかります?世界的ニュースになったもんね^^;)
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パラドールでは二泊以上の連泊だと夕朝食が付くお得なコースがあったので、それで予約していました。

自由旅行をしていると疲れてきて、食事する場所を考えるのも面倒くさくなることがあります。
ちょうど旅行日程の半ばでこの方法を取ったのはとても良かったと思います。
実は2年前の旅行ではこれが理由で不機嫌になったりしたのです(^^;

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ディナー用のサロン(朝食用はまた別にありました)

食事はやはり1の皿と2の皿をそれぞれ5種類ほどの料理の中から選択し、それにプチ前菜とパンが付くという形式です。

このプチ前菜の中に、ショットグラスに入った白い液体があったのですが・・・これなんとニンニクの冷製スープ!
SOPA DE AJO(ソパ・デ・アホ:ajoはニンニクのこと)という温かいスープが代表的なスペイン料理のひとつですが、私それが苦手なんですよね。
この冷製スープはそれよりはマシでしたが、やはり強烈なお味でした(まんまニンニク!)
でも飲み切ったーーーーーー!
(食文化って絶妙なバランスがあると思うのですよ。寿司にガリが付いているのが実は生魚に対する殺菌効果の意味もあるというように、このニンニク攻撃もきっと何かの意味があると思って飲みました^^;)

メイン料理は鶏肉を選びました。
郷土料理とメニューに書かれていましたが、塩味がベースの味付けが素朴で美味しかったです。
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この日も赤ワインのボトルを開け(←旅行中ほぼ毎日のように飲んでました。あ、日本でも同じか^^;)ご機嫌なままおやすみなさい。
翌日は残りの観光地(セット券で入れるもの)を全部まわりたいなぁ~と思いつつ眠りにつきました。