週末9/14~16に夫婦で宮城県に行ってきました。

14日が職場の臨時休暇に設定され、せっかくの連休なので旦那と旅行へ行くことに…
台湾や香港・マカオなど近場の海外も考えたのですが、復興支援という意味で東北へ行くのも良いのでは無いか、ということになりました。
そこで、私がここのところずっと考えていたことを提案。
それは「1日だけでもボランティア活動が出来ないものだろうか」ということ。
旦那も「いいんじゃない?」と了解してくれたので、行程の1日目は被災した農家のお手伝いをしてきました。

9/12のコンサートの際に姫が「ボランティアっていうのは、行ってきたことをあえて言うものじゃないのかもしれない。けれど、私がこうやって話すことで皆さんに被災地のことを思ってもらえたら…」というようなことを仰ってました。
私もこうやって「ボランティア行ってきました」ってブログで書くのはどうかと思ったりもします。実際たいしたお手伝いが出来たわけじゃないですし。
でも、もしこれからボランティアに行こうと思っている人がいて、少しでも参考になったらいいなと思って書こうと思います。

実は当初の旅行先は岩手県・平泉の予定でした。
それが宮城県に変更になった理由…それは岩手県にボランティア先が無かったから(^^;
そう、ボランティアってそう簡単に受け入れ先があるわけじゃないんですよ。
当然ですよね。何の資格も技能も無い私たち夫婦が、しかもたった1日だけしかお手伝い出来ないのに、お役にたてることなんかそうそうあるわけないんです。
(姫のように歌って踊れるわけじゃないしなぁ^^;)
せめて1週間とか出来たらいいんでしょうけど。
ほら、職場に新人さんが入った時なんて最初の数日は役に立たないどころか、自分の仕事をストップして教えてあげなきゃいけなくて「きーっ!自分でやった方が早いわっ!」ってなるじゃないですか…あの状態を考えれば納得です。
地震の直後にボランティア目的で現地に入ったものの、逆にすることがなくて被災者の方に迷惑をかけてしまった…なんて話を聞いたことがありますが、ほんと気持ちだけじゃダメなんですよね。
実際、出会ったボランティアの方たちは何ヶ月と腰をすえて活動してらっしゃったり、同時に大きな作業が出来るような団体単位が多いように思いました。

そんな中で私たちに出来そうだったのが、津波で被災した宮城県南部の農家のトマト収穫のお手伝い。ふたりとも以前にボランティア活動で農家のお手伝いは何度かしたことがあり、ゴム長靴などを持っていたことも選択理由のひとつでした。
(そうそう、例えばガレキ処理などになると普通のゴム長ではNGだそうです。底に鉄板が入っているもの=釘などを踏んでも大丈夫なものが必要ですし、有害なガスが出る可能性もあるのでゴーグルやマスクも必要だそうです)

というわけで旅行先を宮城県に変更。
14日の朝3時に東京を出て9時に現地到着。休憩時間を挟みながら15時半頃までトマトを収穫しました。
もとはイチゴを作っていた場所らしいのですが、津波で土が塩害を受けてしまってイチゴやお米を育てることが出来なくなった土地に、塩に強い品種のトマトを植えて長野県の加工会社に卸しているとのことでした。

地元の農家のおじさんおばさん達は皆さん、地震当時のことは何も仰いませんでした。私たちも聞きませんでした。
ただ、遠くに防風林の松林がずらっと横に並んでいるのが見えて、その向こうが海なんだよと教えてくれました。松林の一部はすっかり歯が抜けたようになくなっていました。
そこから手前まで、ずっと何も無く雑草が生えていました。
海岸へ向かう道はガレキ処理のために通行止めになっていました。そこをトラックが何台も何台もひっきりなしに行き来しては、たくさんのガレキを積んで運んでいました。

あたり一面に雑草が生えているので、震災のことを知らなければ広い広い草原のように思ってしまいそうな景色でした。
ただ、畑から少し離れた所に2階建ての家が建っていて、おそらくまだ新築だったのでしょう、2階部分はとても綺麗で…でも1階はすっかり穴があいて何も無くなっていました。
一見しただけじゃ判らないけれど、この周囲には流されてしまった建物、既に取り壊されてしまった建物…きっと、そういうものがたくさんあったのだろうな、と思うと胸が痛くなりました。

トパーズな毎日Z
(遠くに1列に見えるのが防風林です)

トマト収穫は8月半ばから行っているそうですが、ボランティアがかなり入ったにも関わらず収穫が追い付かずに腐ってしまっているものがたくさんありました。
もともとイチゴ農家だったわけですから、皆さんトマトを作るのが初めてで、作付けの量の加減や出荷作業などすべて手探り状態なのです。
せっかく実ったトマトを腐らせてしまうことを、小さい声で「悔しい」「いたましい(←勿体ないという意味だそうです)」と言いながら収穫されていたのが印象に残っています。
今まで培ってきたイチゴ栽培のノウハウを生かせず、もどかしい気持ちでいっぱいなのだと思います。
でも皆さん、大きな声でお喋りしながら笑いながら作業をされていて、仲間がいるって力強いなぁ~なんて思ったりもしました。
次はさつま芋を植えるそうですが、これまた初めての挑戦ということであーだこうだと相談されてました。美味しいお芋が出来るといいなと思います。

たった1日でしたが、私たちがお手伝いして少しでも「いたましい」トマトが減ったかなぁ?と思いながら、痛い腰をさすりつつ(苦笑)その日の宿泊先、仙台に。
翌日の筋肉痛に怖れを抱きつつ、牛たんを堪能した我々でした(^^)

トパーズな毎日Z

<追記>
そうそう、ボランティア先を探していると、たいてい募集条件として「ボランティア保険に入ってること」と書かれていることが多いです。
ボランティア保険ってどこで契約するの?って思われる方も多いと思いますが、各自治体(ボランティアセンターなど)が契約窓口になってます。
一番安い保険料が300円。毎年4月1日から翌3月末までが契約期間(年度更新)です。
もしボランティア活動を真剣に考えられている方がいらっしゃったら「急ですが明日から活動」ってことになっても慌てないように、保険の手続きも考えておいて下さいね。