「スポーツ文化」という言葉がありますが、この言葉からはっきりとしたイメージを持つことのできる人はおそらく日本では少ないのではないかと思います。
日本では「スポーツ」とはイコール「体育会系」であり、上下関係が厳しく、しごきもあり、苦しさに耐えて精神も鍛えられるものというイメージではないでしょうか?「文化」という言葉とスポーツが結びつきにくいのだと思います。
スポーツは元々ヨーロッパで誕生したものであり、アジア・日本の文化になじみが薄いものだと思っていましたが、そういったヨーロッパのスポーツ文化というものの理解が深まるような記事を東洋経済オンラインに見つけました。
ドイツ在住のジャーナリスト、高橋平蔵氏によるものです。
ドイツの地方都市エアランゲン市(バイエルン州)在住で、同市および周辺地域で定点観測的な取材を行っておられます。日独の生活習慣や社会システムの比較をベースに地域社会のビジョンをさぐるような視点で執筆しており、以下の記事もそういった地域社会からの視点をベースにスポーツ文化に迫っています。
<ドイツのスポーツクラブとは?>
・日本のスポーツ文化が「体育会系」とすれば、ドイツのスポーツ文化は「スポーツクラブ」がベースになっている
・ドイツのスポーツクラブは、日本でいうとNPO法人ののような法人組織で、60種目以上の競技がスポーツクラブで行われているほか、ひとつのスポーツクラブで複数の競技を行なっているところも多く、ドイツ国内で9万以上もある。
・メンバーは子供から大人まで幅広い。全体像としては「仲間」という感じが強く、日本の体育会系のような年功序列の概念などもない。
・学校には部活がなく、スポーツはスポーツクラブで行う。
・各曜日様々なコースがあり、自分にあったコースに参加して汗を流している。
日本にも少しづつ、地域のスポーツクラブができてきていますが、まだまだ少数派であるのは間違いないと思います。
日本でなぜスポーツでいじめや体罰が発生するのか?「スポーツ文化」の視点で日独の構造的な比較から考察した内容にもなっています。
個人的に備忘録としてまとめておきたいと思って以下のようにリスト化しました。
ご興味あればご覧になって下さい。
■第1回「ドイツはスポーツ天国か?それはあまりにも日常的!」
http://toyokeizai.net/articles/-/29113
■第2回「ドイツのサッカークラブ、始まりは体操だった?」
http://toyokeizai.net/articles/-/32176
■第3回「ドイツの学校には部活がない?」
http://toyokeizai.net/articles/-/32384
■第4回「タメ口だらけのドイツ・スポーツクラブ」柔道でもフラットな関係
http://toyokeizai.net/articles/-/34455
■第5回「飲み会もあるドイツのスポーツクラブ」いじめ・体罰と逆方向に向かう理由
http://toyokeizai.net/articles/-/36390
■第6回「勝利だけにあらず。これがどいつの秘密」半世紀前から広がったスポー
ツの幅
http://toyokeizai.net/articles/-/39128
■第7回「『合わない』ときは、変わればいい」地域密着を越えた存在のスポーツ
http://toyokeizai.net/articles/-/41409
■第8回「教会とスポーツ、ちょっと意外な関係」日本は体育会系教育に期待しすぎ
http://toyokeizai.net/articles/-/44522
■第9回「マリノスサポーター『バナナ事件』を考える」対処療法的な日本、社会
に踏み込むドイツ
http://toyokeizai.net/articles/-/46933
■第10回「『スポ根』アニメから抜け出せない日本」スポーツは「遊び」なのか?