YOMIURI ONLINEの中に「広島カープが41年間連続で黒字経営を続けられる訳」という記事を見つけました。

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160920-OYT8T50094.html?from=tw

 

公認会計士の方が財務・経営分析をして解説をしています。以下その概要です。

 

広島カープは日本野球機構(NPB)に所属するプロ野球球団の中で唯一親会社を有しない球団。

※親会社→連結財務諸表に関する会計基準によると「他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関を支配している企業」のこと。

当然ながら親会社からの資金的な援助が受けられないため、自助で経営をしていかなくてはならない。

 

広島カープの株主構成は以下のとおり。

・松田家(自動車メーカー・マツダの創業家)42.7%

・マツダ 32.7

・カルピオ(カープの関連会社でグッズ販売などを手掛けている会社)185%

これらのことから、松田家とカルピオで計61.2%を保有していることから、カープは実質的に松田家が支配する会社でありマツダにとっては関連会社。

※関連会社とは「親会社及び子会社が20%以上の議決権を所有している会社。

  あるいは、出資、人事、資金、技術、取引などの関係を通じて、財務、営業、事業の方針の決定に

  重要な影響を与えることができる会社」のこと。

 

つまり、マツダにとってカープは、財務、営業、事業の方針の決定に重要な影響を与えることができる関連会社であるが、カープを支配はしていないため、マツダ自体は、例えば赤字の補填補填といっ

たところまでは、経営に関与できない会社となる。

 

201512月期の貸借対照表によると、総資産が83億円、負債総額が33億円、純資産が50億円で、純資産比率が60.2%。

04年以降、純資産比率は4360%の比率で推移、おおむね50%程度で優良企業とされることから、

カープは財務基盤の面でも健全であることが言える。

 

財務基盤が健全でも、チーム成績の方はかなり厳しい状況であったが、それを変えるきっかけとなったのが「マツダスタジアム」の建設。

 

野球観戦をゆったりと快適に楽しめる環境を整えたことで、それまでターゲットとしてこなかった女性などの新たなファンを取り込むことに成功。

年々観客動員数はどんどん上昇していった。それまで年間100万人ほどの動員数が150160万人となり今や200万人を超えるまでに拡大。決算数字もマツダスタジアムのできた2009年にはじめて100億円を超え、2015には150億円を超えている。放映権料は徐々に低下しているが、入場料収入やグッズ収入の増加が大きく寄与している。売上額の1620%の間でコントロールしていた選手などの年棒総額も相対的に上がり、高年棒選手も獲得できるようになり、あの黒田投手もチームに復帰させることに成功。

 

広島カープをはじめ、きめ細かいグッズ企画や飲食企画など、ファンを飽きさせない取り組みにより、野球場を娯楽性の高い「ボールパーク」にすることでファンサービス充実させていることも球団の増収につながっているものだと言えます。

増収により年俸総額もあがり、優秀な選手の獲得ができるようになり又、他球団への流出が減少することによるチーム力のアップ、チーム順位の上昇、そして優勝にへとつながったのだと思われます。

親会社に依存しない、独立採算をとり、ファンサービス充実~ファン獲得により増収を達成するという、スポーツビジネスとしてのレベルアップが鍵となっていると言えるのではないでしょうか?