「日蘭通商航海条約」
1912年7月6日にハーグで締結され、第二次世界大戦などの混乱で長年にわたって
忘れられていた条約ですが、2012年に意外な形で知られることになりました。
発端は、ロッテルダムにある日本の文化センター「松風館」。茶室と日本庭園を
建設するため日本から呼んだ大工が、違法就労だとオランダ労働局がみなし6万
ユーロ(当時約630万円)
の罰金を課したところ、松風館の弁護士が裁判で持ち出したのがこの条約。
その結果、松風館が勝訴し、これを判例としてオランダ社会・雇用省は正式に
「日本人は労働許可証を取得する必要がない」と発表。
このことはプロスポーツにおいても、労働許可証が必要なくプレーできることを
意味します。
サッカーにおいてはFC東京からフィテッセに移籍した太田宏介選手が、この条約
を根拠にして実現した最初のケースとのこと。
それまでは欧州連合(EU)加盟国外でプレーする日本人選手がオランダのクラブ
に移籍する際問題になっていたのが最低年棒規定でした。
自国オランダの選手の雇用を守るためのルールで同国リーグの平均年棒の1.5
倍以上の金額で契約をすることを定めており、
最低年棒はおよそ40~50万ユーロ(約5000万~6000万円)。
つまり契約を得る金銭ベースのハードルが高いので、金額に見合う選手でなけれ
ばいけないということでした。
しかしこの条約によりこの問題が一気に解消し、移籍しやすくなったということ
です。
選手だけでなく、監督・コーチ・スタッフとしても働きやすくなったわけで、言
葉ができれば(オランダではたいがいの方が英語を話せるので英語さえOKならば)
外国で働くということが以前よりも身近になったということですね。
国際経験を積んだスポーツ関係者が増えることで日本のスポーツのレベルも上が
ればいいですね!
※オランダ移民局は21日、日本国籍保有者に対し特例として認めていた労働許可証なしでの滞在を今年10月1日から廃止すると発表しました。残念ですね。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160622-00010040-footballc-socc