シンコペーションとディミニッシュである。


メロディとギターのストロークの

シンコペーションが特長のこの曲。

ひーさしぶりね、あーいかわらず・・・

と、8ビートの8拍目と1拍目が

つながる。

音楽の授業で習ったシンコペーションとは

こういうことだったのかと

初めて認識したことを思い出す。

当時のまっさんの曲としては
珍しいポップな曲調である。


もうひとつ、この曲で気づいた点が

ディミニッシュコード。

サビのメロディの後で、

ギターがD7のコードを弾き、

1~3弦がそのフォームのまま

1音半ずつ駆け上がる。

一番最後の方では、そのまま

オクターブ上まで上がる。


すなわちディミニッシュコードである。

それまでギターコード表を見て

Cdimはこのフォーム、G#dimは

このフォームなどと覚えていたが、

吸殻の風景のこの部分を弾いてみて、

CdimとE♭dimとF#dimとAdimは

ベースの音が異なるだけで

同じ音で構成されているのだと

気づいたときの衝撃。


音楽の理論をある程度かじった

今となっては、ディミニッシュという

のは、1音半ずつ離れた音を

積み重ねた、ある種人工的な

コードであることを知っているが、

当時は世紀の大発見のような

気がした中学生時代。

吸殻の風景は、続・帰郷で

セルフカバーされ、しっとりとした

ボサノヴァ風の曲調となったが、

そちらのアレンジもいい感じだ。