うちの台所は南向きです。
日本の家屋では、
食べ物が傷まないように、
北向きの場所に台所を、
配置するのが普通のようです。
しかし、
私は20年ほど前、
願ってしまったんですね。
南向きの台所を…。
私は昔、5か月くらい、
大きな荷物を背負って、
ヨーロッパを鉄道で回りました。
主に北欧、東欧中心でしたが、
西欧にもけっこういました。
大体、ユースホステル(YH)という、
若者向けの公共の宿や、
普通のお家の一部屋を、
インフォメーションで紹介して貰う、
というところで泊りました。
長い旅行は生活そのものです。
食事、洗濯が本当に大切です。
北欧ではYHにキッチンもあって、
自分で簡単な夕食を作れたのですが、
西欧のYHでは、キッチンのあるところは、
少なかったです。
長くなって来ると、
自分で食べたいものを作れることの、
幸せを切実に思いました。
少しの荷物で生活をし、
自分に必要なものを考える中で、
「台所」が、どんなに大切なものか、
ということがわかりました。
で、
願ったのが、
「陽当りのいい台所」
陽当りのいい、というのは、
冬に向かう秋からのヨーロッパでは、
陽射しが本当に貴重だったからです。
11月頃の暗いパリから、
南仏プロバンスに向かって、
出掛けてみたら、
陽射しがあまりに鮮やかで、
南仏に色彩を求めた、
ゴッホの気持ちがわかる気がしました。
陽射しの美しさ大切さを、
実感しました。
帰国して、結婚してから、
台所についての願いを持っていたことは、
忘れていました。
今の地に落ち着くこととなり、
手ごろな中古の住まいを探して、
愛着の持てる今の家を見つけ、
購入に至りました。
母に、
「南向きの台所って、
珍しいわよね」と言われ、
台所が南向きであることに、
気が付いたのはけっこう後でした。
そういえば…。
昔旅行していて、
そんな願いを持ったことあったなぁ。
あの変な願いが叶っちゃったんだ。
陽当りのいい台所って、
あまりないはずなのに…。
神さまってすごい。
…と思いました。
今の時期、
昼前くらいには陽射しが眩しくて、
暑いくらいです。
もちろん夏もめちゃくちゃ暑くて、
カレーなんかは、わずかの時間で、
傷んでしまいます。
でも、自分で望んだことなんですよね(笑)。
願ったことは叶うんだ。
神さまはちゃんと聞いて下さっていて、
その時すぐではないにしろ、
一番いい時に叶えて下さるんだ。
…と、
日の当たる台所に立つ度に、
思い返して感謝しているのです。
無理だなんて思わずに、
色んなことを願ってみよう。
新年4日、
改めてそんな風に思いました。
皆さんの心の願いも、
叶いますように…。

