こんにちは。

 

ぶどうさんです。

 

ご訪問ありがとうございます。

 

折角入れたお茶を夫に手渡すのを忘れてしまいました。

 

ストレスが多いと忘れ物が多くなるようです。

 

深呼吸深呼吸。

 

気分を変えて、元気に参りましょう!

 

 

本日調律2のお話です。

 

50年近くになるご老体ピアノの調律をお願いしたぶどうさん。

 

すこしは環境に気を付けていたし、気になるトラブルがなかったため気楽に構えていた。

 

ところが。

 

調律が始まる前にざっと様子を見て打鍵した後、お呼びがかかった。

 

相変らずハンマーの動きがおかしいらしい。

 

動きのおかしさにも違いがあり、動きが悪かったり左右に揺れたり。

 

交換する部品は同じだけれど、トラブルの原因が複数絡んでいるらしい。

 

そうなると厄介だと言われた。

 

いくつか部品を交換していただき、ヤレヤレかと思われた。

 

しかし問題はそこではなかった。

 

音が共鳴するのだ。金属のビリビリ音が中音域一帯になる。

 

原因は外ではなく、どうやらピアノ自身かピアノ内部のことのようだった。

 

調律師さんの経験に基づきいろいろと試し、思いつく対処はしてくださったものの、改善はほんの少しで終わった。

 

今までにない現象であり、経験もないとのことだった。

 

この状態で作業を終えるのは残念だと仰ったが、その場でできる簡単な方法では直りそうもないという結論で一旦着地することとなった。

 

毎年調律をしていけば1時間くらいで終わる作業だろうが、3時間近くかかってしまった。

 

その間いろんな説明をしてくださった調律師さんには感謝である。

 

ただ、この先どうすればいいのか、全然わからなくなった。

 

ものすごく衝撃を受けたのは間違いない。

 

ストレスMaxでその日はピアノ練習に力が入らなかった。

 

少し落ち着いてから考えてみたところ、生音でビリビリ音が出ていると言っても、この家に住んでいる限りは消音装置を使ってしか練習できない。

 

ある意味、問題なし。


けれどビリビリの原因が、響板の隙間や、中の棒の接着剥がれだったり、ピン板と呼ばれるものが痩せたり剥がれたりすると・・・

 

最悪弦が緩んで音がおかしくなるらしい。

 

これらは、持ち帰って分解しないと修理できないとか。

 

持ち帰って、じゃあビリビリ音の原因を探り修理したところで、他もまた調子が悪くなる可能性だってある。

 

それならいっそ、オーバーホールをした方がいいのではないだろうか。

 

そう思って聞いたところ、その調律師さんの答えは基本「NO」だった。

 

古いピアノがいいものだというのは、幻想だと仰るのだ。

 

ピアノは実用品であり、一生ものではないとの考えをお持ちのようだった。

 

ピアノは使えば狂うし、使わなくても劣化していくと。

 

誤解を招くようだが、その方は、ピアノは大切に修理しながら使ってほしいと考えていらっしゃるから、ピアノ買い替え推進派ではない。

 

それでも、この古いピアノをオーバーホールするなら、買い替えた方がいいのでは、と提案された。

 

調べてみたら、他の調律師の方がかかれたコラムに、40年を目安に年数のたち過ぎたピアノをオーバーホールするより新しいものの方がいいとあった。

 

アップライトなら、なおさらである。

 

オーバーホール代で新品が買えるらしい。

 

自分のピアノだもの、お金の問題ではないと言い切れる自信はない。

 

古い部材のものはいいものだという幻想は捨て、よっぽどの思い入れがないとオーバーホールは踏み切ってはダメなもののようだ。

 

わからなくなってしまった。

 

まだまだ使えそうだ、死ぬまで手元の置きたいと思っていた、子供の頃に買ってもらった小さなピアノ。

 

すぐさまどうこうという話ではないが、弦が一つ緩みだしたら、複数起こってくるだろう。

 

それまでに答えを出さなければいけない。

 

ピアノを買うと言っても、なんでもいいわけではない。

 

この家に住んでいる限りは、消音装置が必要だ。

 

中古にしろ新しいピアノにしろ消音装置をつけることになる。

 

本当はもう、新しいピアノに消音装置はつけたくはないのだけれど。

 

いや、それよりもこの古いピアノを捨てられるだろうか。

 

50年近く所有して、本当に大切にしたのは、ここ1年ちょっと。

 

遅すぎた本気度だった。

 

このピアノと向き合わねばならないときがいつかは来るのだろうが、それが今だったのかもしれない。

 

調律後のピアノは、とても弾きやすくなっていた。

 

消音装置を使用していても、アクション自体はピアノそのものであり、調律師さんの腕によって調整されていた。

 

次の調律まで無事でいられるよう祈るしかない。

 

それまでに考えをまとめよう。

 

いい答えがきっと見つかると信じて。

 

そう考えながらも、コッソリとヤマハやカワイのピアノサイトを眺めるぶどうであった。