夜の冷え込みが厳しくなってきた。
そんなときに重宝するのが、布団乾燥機。
夏場や梅雨にダニを退治したり布団を乾かすだけでなく、冬の冷たい布団をふんわりあったかくしてくれる優れものだ。
使っているのは、マット式の旧型布団乾燥機。
マット式は敷くのが面倒なのであまり人気がないようだが、マット部分から温風が噴き出すため安定して全体の湿気がとび、温かくなるのでこのタイプが好きだ。
そんな我が家の乾燥機。
実はちょっぴり壊れている。
はじめコンセント部分の接触が悪くなって修理し、次はタイマーが壊れ。
使用に問題はないので使ってきた。
さすがにタイマーは修理できないので、キッチンタイマーを利用して。
ある日、タイマーをかけ忘れて慌てて布団の様子を見に行った夫が、びっくりしたような声をあげた。
なんでも。
タイマーが作動して布団乾燥機がちゃんと切れている!というではないか。
そんなことが今更あるものかと、妙に感心しながらマットを外すと、なぜか布団が冷たい。
察しのよい方はお分かりだろうが、なんのことはない、布団乾燥機が壊れて止まっていたのである。
師走の、寒い夜に突然昇天してしまった布団乾燥機。
これは一大事である。
慌てて、電源を入れなおしたり、タイマーをいじったり、乾燥モードをいじったり。
なにをしてもうんともすんとも言ってくれない。
ぶどうさん、大ピンチ!
明日から、いや、今晩からどうやってぬくぬく眠るとよいのだろう。
寝る間際の、寒い夜更けに絶望の淵に立たされはしたが、考えようによってはこれはよいチャンスなのだと気が付いた。
身の回りの片を付けているこのときに、新しい布団乾燥機を迎えられるのだ!
素晴らしいタイミングではないか。
ただ、ちょっと・・・・あまりに突然で、次に何を買うか決めていないことがこころもとなくはあるが。
翌朝、とにもかくにも年内の燃えないゴミの日に出せるよう、指定ごみ袋に入れてみることにした。
大袋は大きすぎ、小袋はぎちぎちで、なんとも微妙なサイズ感なため、とりあえず試してみたかったのだ。
これまでありがとうと、労をねぎらいつつ小袋に押し込んだぶどうさん。
ラッキーなことに小袋にギリギリ入れられたのだが、本体に付属品を入れこむのを忘れてしまった。
仕方なくごみ袋が破れないように注意しながら本体を引き出したとき、背面に小さなボタンがあることに気が付いた。
「安全装置」・・・・・?
なにやらそのボタンを押さねばならないような気がし、そして、押したからには電気を通してみたくなり。
衝動を抑えきれずに試してみると。
ぶい~~~~~~~ん
布団乾燥機が息を吹き返した。
どうやら、安全装置が働いて止まっていたというだけのことだったようである。
かくして、機種を定め買い替えするまでは再び我が家で活躍してくれることになった布団乾燥機。
モノとはまこと健気なものであると、感心したぶどうであった。