ちょっと奮発して、よさげなトイレットペーパーを買ったぶどうさん。
いつもと違った行動と決断に妙な喜びさえ感じて、得意げにぶら下げて帰路についた。
このときはまだ、自身の決断の誤りに全く気がついていなかったわけだが・・・
帰宅してすぐさま、これをどこにストックするかという問題に直面した。
何しろ買ったのが、12ロール2つの、24個ものトイレットペーパー。
場所をとりすぎるのである。
なぜに2つ買ったかというと、決してぶどうさんお得意の買いだめではない。
ぶどうさんちでは、ぶどうさんはシングル、夫はダブルと好みが違っているため、シングルとダブルとが必要なのである。
たまたま夫の買い置きもなくなっていたため一緒に購入したのである。
外出の疲れもあって、トイレの前においたものの、さすがに玄関から丸見えでみっともない。
普通に考えれば、トイレにすぐ置けばいいのであるが、そこには置きたくはないのである。
トイレには、24ロールくらいは納まる棚が設置されている。
ところがこの棚、ちょうど目の高さにあり、ここにトイレットペーパーのタワーが築かれては鬱陶しくて仕方がない。
もともと北国の頃より最低限のスペア以外は別に保管することにしている。
そのほうが管理しやすいのだ。
手っ取り早くは使っていない、足の踏み場もない納戸部屋の、なぜかがらがらの押入れに放り込んでおこうときめ、2パックともそこにしばらく保管することにした。
それが大きな間違いだったのである。
程なくして、家中なにやらトイレ臭いにおいがすることに気がついたぶどうさん。
トイレ臭い、といっても、尿臭とか便臭とかではなく、衛生商品につかっている合成香料っぽいにおいがどこからともなく漂ってくるのである。
ニオイの元は、そう、トイレットペーパー。
ニオイつきのトイレットペーパーを購入してしまったのである。
そのニオイが、家中に。
何たる誤算。
ちょっぴりお高めのトイレットペーパーのニオイつきであれば、トイレの芳香剤が必要なかろうと(といってもぶどうさんちには芳香剤はないが)安易な発想で買ったトイレットペーパーであったのに、こんな惨事が起きるとは。
くさい。本当にくさい。
安物の香料というか、ありがちな衛生商品のニオイなのである。
正直あんまり好みではない。
しかもこんなに強烈ににおっていては、他のものと一緒に保管できないではないか!
使っていない納戸部屋といえ、こんなニオイが染み付いては大変である。
それに、残り少なくなったトイレットペーパーはキッチンペーパーやティッシュなどの他の紙類と同じ袋に放り込んでいたのに、それもできない。
なんたるこっちゃ。
仕方がないので、スペア以外の余計なトイレットペーパーは、一番実害が少ないであろう洗面所の、到底手の届きそうにない棚に保管することにした。
そしてそのトイレットペーパーの隣には、勿論、ニオイ移りしてもよいものしか置けないのである。
やれやれ、しっかり自分の判断基準を持ってないから似非高級品をつかまされるのである。
これに懲りて、ぶどうさんちでは香りつきのペーパーは極力選ばないことにした。
香り付でない方が保管が楽だし、安物っぽい臭いをかがなくて済むからである。
そういうわけで無香料の、できれば再生紙でないきれいなトイレットペーパーを買うことにした。
今度こそはどんなのを買おうかと思い巡らしていたぶどうさん。(おや?2ヶ月前と同じパターンでないか!)
初めて立ち寄った某スーパーで、あろうことか捜していたトイレットペーパー18ロールに出会ったのである。
灯台下暗し。
この店、何度も前を通ったよね。
うちにはまだまだ失敗トイレットペーパー第二弾がほぼ丸ごと残っている。
今は買えない。
でも、次は。。。どうする?
風水の教えなど頭からすっかり消えうせ、元のけちんぼぶどうがむくむくと頭をもたげる始末。
おーい。高級トイレットペーパーはどうなったんだーい。
始めからこの店に寄っていれば、この商品を迷いなく買っていただろう。
そう思うと、この数ヶ月の回り道は一体なんであったのかと、がっくりと肩を落とすぶどうであった。