気になりだしたらとまらないぶどうさん。


袋入り食パンにパン屋の食パン、そしてお取り寄せ食パン。


これらの製品を購入したら、1斤あたりおおよそ100円台~500円くらいになるようとわかった。


では、食パンを家庭で作るとしたら、コストはいくらになるのだろう。


地道に計算したところ、ぶどうさんの手持ちレシピでは1斤あたり100円~200円になるとでた。

この計算では、使用する粉や塩、砂糖、バターの値段は同じとした。(注;油脂は基本的にバターで考慮)


材料も微妙に違うが、お値段の差は、おおむね材料の分量の違いだ。


家庭で作る場合は、業務用と違い材料費が小売値段であるため割高である。

この中のほとんどを占めるのは、バターと粉代その他の乳製品代である。


1斤200円の食パンの内訳は、バターや牛乳を多めに使うなどしてちょっと贅沢なもの。

100円のほうは、比較的あっさりしたごく普通の食パン。


そして、このお値段の中には、お店のような設備費や労務費、諸雑費などは含まれていない。

純粋にパンだけにかかった費用。


ぶどうさんの計算だけでは頼りないので、より明確に数字化されている、市販の食パンミックス粉のお値段の調査もしてみた。


いまどきは大抵の家にホームベーカリーがある。

ホームベーカリー自体が手軽に食パンを作れる優れものだけれど、より手軽に食パンが出来る食パンミックス粉なるものが存在する。

これを使っていらっしゃるところも多いはず。


食パンミックス粉とは、ホットケーキミックスのようなもので、バターやイースト、水分を追加して機械にセットすればパンが出来るというもの。


ぶどうさんは買ったことがないが、新しいものではない。ずいぶん昔から売られていた。

この頃はスーパーのみならずホームセンターやインテリアショップで、おしゃれなパッケージにはいった食材通販クオカの食パンミックス粉を見かけたりもする。


クオカだけではない。

食材通販それぞれの店にオリジナルのものがあるか、もしくは製粉会社が出している食パンミックス粉を販売している。


元祖?食パンミックス粉といえば、ホームベーカリー発売当初からがんばり続けているナショナル(現パナソニック)のものもいまだ変らず売られ続けている。


一時期ホームベーカリーの凋落とともに下火になったかに思われた食パンミックス粉も、現在は再びいや以前以上に華やいでいるようだ。


バラエティにとんだ食パン用ミックス粉を調べていくうちワクワクして、試してみたい衝動に駆られるぶどうさん。

まったく、面白そうなものには目のない女である。

おかげで値段を比較するのをすっかりわすれてしまいそうになった。


で、簡単にざ~っとみたところ、製粉会社系のものが一番安く1斤100円ちょとからで、大体が200円前後、食材通販系では200円以上、とくにブリオッシュなどのリッチなパン用だと300円弱くらいまでというところだった。


ところで、ここで忘れてはいけないものがある。

これらのミックス粉にはドライイーストやバター、水分類は含まれていない。


つまりミックス粉の他にバターという、コストから言えば大物を追加する必要があるのだ。


プレーンな食パンで必要なバターは、1斤辺り10g強から、ブリオッシュ系で大体50gくらいだろうか。

10gであればコストとしてはかわいいものだが、50g越えるとお値段はかなり張ってくる。


つまりミックス粉のほかに必要なものの費用を足せば、一番安くて100円台だけれど、ほとんどが一斤辺り200円をかるく超えることになる。

リッチなパンを作るとなれば300円超というところか。


しつこいようだけれどこの中には設備費というかホームベーカリーの初期投資分や、電気代、水道光熱費や作る人の人件費は入っていない。

あくまでも材料だけ。


うーむ、これでは市販の袋入りパンより高いし、おいしいパン屋のパンと同じくらいのお値段になってしまう。


お店で買うパンが100円~500円。

家庭で作るパンが100円~300円超。


比べてみれば、家庭で作るパンが必ずしも安いとは限らないようだ。

ものによっては、むしろ高くついているかもしれない。


100円なら、200円なら、500円なら・・・・・・作るべきか最初から買うべきか、悩ましい結果である。


しかもお店のパンであれば、おいしくないとお店が成り立たないのだから一応は一定レベル以上であり、支持されているのだろう。


家庭のパンであれば、何を使っているかわかっているし安全性に配慮できるが、かならずしもおいしいとは限らないというリスクもある。


500円といえどおいしいのなら、(そして安全性に配慮されているなら)値段だけ見てお店のパンが高いとは言い切れない。


お店のパンの安さは、企業努力の賜物といえるかもしれない。


こうなってくると、手作りをするということは決してお金を浮かせるためではなく楽しみでないとやっていられないということになる。


もちろん、家で作れば選んだ材料で、出来立てのパンを必要な分作れるというメリットはあるのだからお金だけの物差しで語ることは出来ない。


結局なんでも、お金の観点のみからでは本質にたどり着かず、そのほかのプラスアルファで判断し納得し選ぶことこそ人生や生活の質を上げることになるのだろう。


自分の中の基準に照らして、どういうものをいくら出して手にいれるか、決めてその恩恵を存分に楽しむということが大事なのかもしれない。


食パンを考えることで、買う楽しみ、作る楽しみ、たまには手を抜いて既製品を取り入れてもいいかもしれないという楽しみを発見したぶどうさん。


視点を変えれば、人生楽しみがいろいろとちりばめられているものだなあと感心するぶどうであった。