免許更新の手続きに必要な写真を撮りに行くことにしたぶどうさん。


日頃お化粧はしないが、一応人に見せる写真を撮るのだから簡単に化粧をすることにした。

なにしろゴールド免許は5年間更新なし。

5年も素顔を貼られるのは御免被りたいし、実物と写真がかけ離れていたら確認書類にならないからね。


スピード写真の機械に心当たりはあった。

いつも行くスーパーの近くに、ボックスがあったような気がしたから。

ただし、屋外であることが引っかかる。


以前屋外のスピード写真を利用したとき、風が強かったのでカーテンがずれたり、カーテンに隙間があって光が入ってしまったりしたことがあったからだ。


もし太陽の位置との関係で光が入りそうだったらやめておこう。


そう決めてボックスのところに行くと、なんとまあ、出入り口と太陽の位置が同じ。

そのまま帰ろうかと思ったが、カーテンが意外にしっかりしていそうなのを見込んで写真を撮ることにした。


証明写真700円。


それだけしか書いてなかったが、中に入ってみると遊び写真が取れるようになっているらしい。

しかも全部音声で案内してくれる。


戸惑いながらもなんとかボタンを押して設定を終え、カメラでパシャリと3回撮ってもらって終了。

意外にあっけなく、簡単に終わった。


10年前に撮ったスピード写真の機械よりは明らかに進歩していたのである。


ぶどうさんが一番驚いたのは、写真を選べたこと(一番まともそうなのを選んだ)、そして+200円だせば肌色を修正して印刷してくれるということだった。

昔は一発勝負だったし、肌が不気味に映っていたっけなあ。


修正しても証明写真として使えるらしく、お肌の曲がり角を曲がったぶどうさんには大変魅力的な機能であったが、その価値があるかどうか冷静に考えると否だった。

もうこれ以上免許にお金をつぎ込みたくないのだ。


そういうわけで、現在ぶどうさんの手元には、いかにもスピード写真とわかる証明写真が一枚ある。

同じ顔で、9分割。


少々不気味である。これを所定サイズに切る作業はこれまた面倒。


こんなに数はいらないから、せめて写真のカット機能をつけてくれよとスピード写真のボックスに語りかけるぶどうであった。