東京おのぼり旅行へ出かけることになったぶどうさん。


長い長い新幹線の乗車時間を寝るだけで終わらせるなんてもったいない。

何かないかな~と読む本を探していたら、一冊の本が目に入った。


白地にピンクの背景、そして生まれたばかりの赤ちゃんを眺める幸せそうな夫婦の絵。

読んで欲しげな分厚い文庫本の題名は、スポック博士の「親ってなんだろう」。


この本は、学生時代に生協で買ったモノだ。

当時いろんな思いがあって買った本だが、読もう読もうとしてもいつもはじめの数ページで挫折していた、本好きのぶどうさんには珍しい本だった。


あまりに読みすすめられないので、処分しようか、読んでから捨てようかと迷い、とりあえず処分ボックスに入れていたのであった。


旅行に持って行くには分厚くて重いが、行き帰りの新幹線はしめて8時間にも及ぶ。

することはないし、読みすすめられることだろう。

500ページ超の本なら退屈しないに違いない。


通常の状態で数ページで断念したというのに、なんの根拠があって新幹線の旅にふさわしいと思ったのだろう。

ぶどうさんの頭の中が疑われるが、いい加減この本に決着をつけたいという気持ちがそうさせたのかもしれない・・ということにしておこう。


さて、じゃあおのぼり旅行でこの本を読んだかというと。

実は殆ど読んでいない・・ああやっぱり。


しおりの位置で確認したところ、以前読んだ所よりもさらに前で挫折している。

しかも前に読んだ事を全部忘れているし。


いらないこと、現在進行形でないこと、重要でないこと、すべてきれいさっぱり忘れるぶどうさんらしい。

いやいや、だからこそぶどうさんはぶどうさんでいられるのかもしれない。


記憶の片付けだけは非常に上手なことを、自分で褒めておこう。(←本当に褒められることなんだろうか・・・?)


さて、この本。

裏表紙をめくって確認したところ平成2年に日本で出版されたようである。

アメリカでは1988年に出版されているようで、日本では2年ほど後れて翻訳出版されたようだ。

現在は絶版になっており、中古市場で手に入れるほかはなさそうだ。


実に20年以上前に購入した本を、読まずに引越しのたびに連れまわったぶどうさん。

それを執念といわずなんと呼ぼう。


なんに対する執念か。

お金か、情報か、それとも疑問への答か。


多分全部かと思われるが、一番の疑問で、今でも問い続けている不思議「親」にかんしてわかるかもしれないという一縷の望みとでもいおうか、そのために置き続けていたのである。


心の中では無駄と知りつつも、考察の一助になるかもという期待だけは捨て切れなかったのである。


精神科医が「親」という視点で書いたこの本。

この著者は育児書の大ベストセラーを書いた人物であったとは、知らなかった。


スポック博士の育児書。


親の観点で書いたこの本と育児書、なるほどそうかあと今更わかったが、著者をネット検索するまでは全く結びつかなかったぶどうであった。