人、サービス、お金。

異郷の地でこれらから何かを感じ取ったぶどうさん。


では一体何を感じたのか。


まず人。


東京の人は冷たいという。

ホントに冷たいのか。それはわからなかった。


ただ1ついえるのは、誰かに関わるなら知っている人以外に関わりたくないという態度を取る人が多いということだろうか。


表面上はにこやかな店員、トラブルが起こっていても遠目に成り行きを見ているだけの人、道を尋ねる人をニヤニヤ見ながら通り過ぎるか足早に遠ざかる人。


今まで見たこともないようなこれらの人々の対応と姿に、一体この人たちはどういう人間関係を結んで生きているんだろうという疑問を抱かずにはいられなかった。


そして、東京という一見人が多く賑やかで華やかなこの街を構成している「魂のみえない、魂を隠している」人々の姿に薄ら寒さを感じた。


次にサービス。

サービスとは目に見えないものであるが、目に見えるものもある。


ぶどうさんは同じ日に老舗といわれる洋食屋さんとチェーンホテルで対照的なサービスというか商売の姿勢を見せられたのである。


老舗の洋食屋さんといってもぶどうさんが行くくらいだから高級店の部類ではない。

狭い店内にテーブルといすがぎっちり並べられ、店内はかなりレトロ調。


改装してから随分時間が経っているだろうその店は、しかし清潔で、椅子や調度はきちんと磨かれ鈍い灯りの下で艶やかに光りを反射していた。

古い店にありがちな古ぼけた紙に書いたメニューなどはなく、定期的に書き換えられているようであった。


一方ぶどうさんが泊まったチェーンホテルはそれとは真逆で、学生時代の貧乏旅行以来のすごさ?にびっくり仰天することになるのである。


つづく