とりあえず片づけをすることにしたぶどうさん。


もっとも効果的なのは、目に見える場所にある不要なものをどけること。


そうなんだろうけど、要領の悪いぶどうさん、ついついなぜか納戸部屋から手をつけてしまう。


納戸部屋は、その名の通り不用品などを放り込んで倉庫と化した部屋。

引越し用の箱、食料品、消耗品、要らないダンボールなどなど、何でも放り込んでいる状態の部屋。


納戸部屋なんだから乱雑なのを気にしなくてもいいのに、手を入れやすいためかついそこからはじめてしまう。

本当は本棚や居間に積み上げられた本、押入れの本を何とかしなきゃいけないというのに・・・・


例によって納戸部屋に向かったぶどうさん、資源ごみが近いのでダンボール類を何とかしようと立ち向かうことにした。


そのときにふと、何の気なしにプラスティックのケースの上にぽんと置かれた小豆の袋を手に取った。

その小豆、1キロ入りの大袋。


例年なら冬前に産直で手に入れていたのだが、なぜか冬には店に出ず春になってやっとお目にかかることができたもの。

しかも、例年1.5キロ入りだったのが1キロに量目が減って値段が上がってしまっていた。


ここ北国では、不思議なことに産直でかった小豆にさえ虫が湧かない。

地元の人によると、小豆に虫が湧くことなどないらしい。


南の土地で生まれ育ったぶどうさんは、その話を聞いて仰天した。

なにしろ小豆に虫が湧くのは当たり前だし、虫が湧いたらニオイでわかってしまうほど痛い目に何度も遭って

きたからだ。


ここ、北国では豆に虫は湧かない。

これ常識。

地元の人の話をすっかり信じ込み、そして全くその通りに虫など湧いたことはなかった。


それが。

小豆の袋から、ポロリと何かが零れ落ちた。

小豆だった。


どうやら、袋に穴が開いていたようだった。

ふーんと思って気にも留めなかったが、しばらくしてなにやらどこかで見たことのある虫が、プラスティックケースの下に潜んでいるのを見つけてしまった。


・・・・・虫だ!


虫がいる。

何についた虫か・・・考える暇もなく答はすぐに出た。


小豆だ!


実は1キロ入りの小豆の袋は2つあった。

1週間あけて1つずつ買ったもので、どちらも同じ店で買った。

どっちの袋だろうと抱えてみたがわからない。


でもどうやらどっちの袋にも虫の気配が感じられる。

なぜわかったかというと、袋に表示された生産者が同じだったのだ!

同じ畑なら、絶対にどっちにも虫はいるはずだ。


こういうときは現実逃避するに限る。

しばらくそのまま放っておこう。


ぶどうさんの脳みそは一時停止してしまった。

が、それも長くは続かなかった。


部屋のあちこちで成虫が発見されたのだ。


これはマズい!


この部屋はパンやお菓子の粉、米、雑穀、ドライフルーツなどなど食料品が山とあるのだ。


一時停止したぶどうさんの脳みそは急速回転し始めた。

何とかしなければ。


合計2キロにもなる小豆を、一体どうしろと言うのだろう。

冷凍庫も冷蔵庫もいっぱいだし、2キロ全部を一度に処理することなど出来はしない。


あんこを練ったところで、練って体積の増えたあんこを一体どこにしまえばいいのだろう?!



片づけをはじめるどころか、いきなり大量の小豆の処置を迫られることになったぶどうであった。


↑やっぱ、買いだめはいかんのよ、買いだめは。もう充分懲りたよね?byぶどうさんの心の声