そもそも玉子焼きにレシピはあるのか。


玉子焼きといえば家庭の味。

家庭によって味付けは全然違うし、小さい頃から食べなれた味が一番おいしい味、といえるものの1つかもしれない。

あ、ぶどうさんは違うけど・・・・


ぶどうさんの中では、玉子焼きのレシピといえるものはない。

玉子焼きの作り方が載っている本、といえば、思い当たるのは1つだけ。


ずっと昔に買った、料理初心者が愛用する本。

そう、ぶどうさんが唯一知っている玉子焼きのレシピといえる代物。


可もなく不可もないその本の玉子焼きは、そういえば一時期弁当の玉子焼きに活躍していた。

今更それには戻れない。

味がわかるんだもの。


何かないかと思っていた折たまたま行った図書館で、現在人気料理研究家といわれるお二方の本に玉子焼きの作り方が載っているのを発見した。


借りて帰るには興味の対象が玉子焼きしかなかったので、作り方のみを書き写し、レシピを自宅へ持ち帰った。


書き写したのは、それぞれ普通の玉子焼きと出汁まき玉子。


興味深いことにどちらも二人前でたまごが3個、それに調味料というスタイル。

調味料がまた特徴的で、塩と砂糖だけのものだったり酒の入ったものだったりと、人によって違いがある。

ただし、どちらもたまご3個に対して砂糖が大さじ1以上入っているという共通点が見られた。


このレシピをすぐさま試したい気持ちに駆られたものの、弁当に味のわからない玉子焼きを入れるわけには行かない。

大さじ1以上の砂糖が入った玉子焼きなんて、甘いにきまっているし、そうなるとおかずにならないではないか。


さすがに弁当用にチャレンジレシピを試すのははばかられるため、週末を待って、週末の朝ごはんで新しいレシピを試すことにした。


それぞれのレシピの、普通の玉子焼きを日を変えてひとつずつ。


ぶどうさんちの玉子焼きには醤油、みりん、酒、砂糖、塩、そして必ず葱が入っている。

葱を入れてしまうと味がわからないのでプレーンのまま試すことにした。


まずはじめに、砂糖と塩だけの玉子焼き。

これが甘いものの、玉子の味と色がきれいに出て悪くないことがわかった。


翌日は酒と砂糖と醤油の入った玉子焼き。

予想としては甘いけどぶどうさんちの玉子焼きに近いだろうとの予測の下作ってみたところ、これがとんでもなくおいしくない玉子焼きとなった。


まず、甘すぎる。

比較のため初日の砂糖と塩のみの玉子焼きが基準となるよう、卵に対し砂糖を同量にし調味料の割合もあわせて作ったのだが・・・(卵に対する調味料の割合はちょっと少なめだった)

なぜかとんでもなく甘く、そして酒の味がとんでもなく嫌味なのだ。

醤油の色も汚らしい。


夫は、一口食べて、

「これ、ダメ・・・苦手」と言ったきり箸が進まなかった。


チャレンジの責任を取って、そのまっずい玉子焼きを食べながらぶどうさんは思った。

卵に対して砂糖が同量でも、いろんな副材料との組み合わせでとんでもない味になるとは。


玉子焼き恐るべしと。


玉子焼きは奥が深い。

たかだか卵と調味料を混ぜて焼いたものなのに、こんなにも味に変化がでるなんて。


自分の味とは全く違う玉子焼きを食べた後、自分が作る玉子焼きを改めて食べたところ、今度は妙な違和感を覚えたぶどうさん。


何かが足りない。


自分の玉子焼きには、明らかになにか足りないものがあるということに気がついたのだ。


一体それは何だろう。


ぶどうさんの玉子焼きの味は、はっきりした味ではない。

卵の味が浮き立っているわけでもない。

調味料が多い分薄らぼんやりとして、卵のにおいが少ない、玉子焼きの形をした似非玉子焼き、でしかないのだ。



私が作っているのは玉子焼きではなかったのか。

足りないものは何だろう。

ようようと修行のたびに出たはずが、再び振り出しに戻ってしまった。


ぶどうさんの玉子焼き修行は始まったばかり。

これからどんな旅になるのだろう。


乞うご期待。(あ、リクエストされないと続き書くのを忘れますので、突っついてください)


とりあえずはレシピ検索掛け捲って片っ端から試すしかないか。

弁当生活は長いんだもの、週末ごとのお楽しみ、であらゆるレシピを試していこう。


よし、がんばるぞ!決意を固めるぶどうであった。


おわり。


ひっぱっといて結論なくてすみません。

玉子焼きを極めるのはまだまだ先が長いことになりそうです。ペコリ。