夕食の手抜きで非常用のレトルトカレーを食べてしまったぶどうさん。
余震の続く北国で、まだまだ警戒態勢をとくわけに行かない。
抜かりなく備えておくため、他の買い物ついでに補充することにした。
行ったのは、いつもは行かないスーパー。
なんのことはない、買い物がメインではなく他の用事のついでで、たまたま近くを通ったから。
たまにしか来ないとなると、その店でしか取り扱っていない商品やお買い得品を、まずはチェックするぶどうさん。
生鮮品も一通り眺めた頃には、もうレトルトカレーのことなんかすっかり忘れていた。
さてそろそろ引き上げるかな、としたそのとき、ぶどうさんは棚コーナー末端のお買い得品コーナーにふと目を落とした。
コーナーで一番目に付くかごの中には、小箱のカレールウがどっさり。
昔ながらの固形ルウで、お値段百円。
通常の箱入りサイズの半分ほどの大きさで、パッケージには4皿分との表記がある。
これで100円が高いか安いかよくわからない。
なにしろぶどうさんは、長いことカレーのルウを買ったことがない。
一箱が何皿分かも知らないし。
が、よくよく値段表示を見ると、2つ100円、1つ68円と書いてあるではないか。
日頃ルウを買わないとはいえ、2つで100円って、安くはないか?
ぶどうさんは一気に理性を失った。
こうなると、優先事項であるレトルトカレーのことなんかきれいさっぱり忘れてしまうぶどうさん。
(←その前から完全に忘れていたでしょ!)
カレールウが2つで100円。
これは安い。
メーカーはグ〇コの2段熟カレー。敬愛する小林カツ代女史が以前CMしていた、あれではないだろうか。
見たところパッケージは古びた感じはなく、賞味期限も充分残っている。
熟カレーがおいしいという話は聞いたことがないが、少なくとも10年以上前から売っていて残っている商品だ。
そんなにひどいことはなかろう。
だいたい、この休み中外出続きで時間がないうえ、ぐったりお疲れ気味なのだ。
とても料理修行などしていられないのが実情だ。
手抜きでレトルトカレーなどに手を出しているくらいなら、カレールウでカレーを作ったほうがまだましではないか。
レトルトカレーという単語が頭の中に出ているにもかかわらず、完全無視して目先のカレールウの安さに心を奪われ建前と本音を天秤にかける有様。
ほとんど思考停止状態の中、購入する決め手になったのが、あるひらめきであった。
それは・・・
「料理修行中だもの、こういうルウで作った味というのを確認しなくちゃ」
そう、そうなのだ。
ずーっと長いこと市販のカレールウを使ったことがなかったため、その便利さと味をすっかり忘れてしまっていたのだ。
使ってみないわけには行かないだろう。なにしろ料理修行中なんだから。
忙しい主婦が手抜きのために使うというカレールウ。
カレーを作る=面倒という図式があるぶどうさんとしては、簡単にカレーが出来上がるカレールウがなにやら魔法の調味料に思えてきた。
そういうわけで、安さに負けて、そしてレトルトカレーのことなんかそっちのけで、連休中の手抜き料理&料理修行の一環として市販の固形カレールウを買ってしまったぶどうさん。
今日の夕飯は楽勝だ♪と、意気揚々と帰途に着いた。
が。
・・・・・・・・・なぜ固形ルウを買わなくなったのかという理由があったにもかかわらず、不覚にもそのときはすっかり頭から抜け落ちていたのであった・・・・・・・・
つづく