バタークリームのケーキと生クリームの、どっちがすき?と聞かれたら。

絶対生クリーム!と即答するぶどうさん。


なんでそれほど生クリームがすきなのか。

それは、「世代」だから。

若い子にはわかるまい。


そもそも、いまどきクリームのことを生クリームなんていっているほうが珍しいのかもしれない。

そう、生クリームって言い方自体変だもの。

なんで生なの~?と逆に若い子にきかれそうだ。


今はケーキに生クリームなんて当たり前。バタークリームのケーキのほうが少数派だ。

スーパーに行けば、いろんなクリームがパック入りで売られており、お菓子や料理に使いたいときに買うことが出来る。

これ、現在は当たり前。


でもぶどうさんの小さいときは、生クリームのケーキなんてなかった。

いや、あるにはあったが、冬にしかなかったような気がする。

はじめて生クリームのケーキを食べたときの感動。

ケーキっておいしいんだなとはじめて思った瞬間だった。

それまで、ケーキのクリームが大嫌いだったぶどうさんは、ケーキを殆ど食べたことはなかった。


なにしろ、ケーキのクリームといえばバタークリームの時代。

バタークリームは日持ちするし、冷蔵保管が徹底していなかった時にはとても扱いやすかったのだろう。

そして、多分。。。使っている油脂は、バターではなくマーガリンだったのではなかろうか。


当時はまずいマーガリンしかなかった時代。

バタークリームのケーキといってもどこまで本物のバターを使っていたか、怪しい限り。

コスト的にはバターよりマーガリンが高い時代もあったかもしれないけれど・・・あのまずさは、やっぱりどうにも解せない。


それというのも、現在バタークリームのケーキは少ないけど、出来立てのバタークリームのケーキは軽くておいしい。

なぜに子供のころあんなに嫌っていたのか不思議だったが、多分バターというか使っている油脂に問題があったのだろうと推測している。


ぶどうさんより5歳ほど下になると、生クリームのケーキが当たり前なんだろうなと思う。

バタークリームのケーキといえば、安いスーパーのケーキや給食のケーキなんかしか食べたことがないだろうし、思い入れもなければ嫌悪感もないことだろう。


そんな風に生クリームに思い入れのあるぶどうさんは、しかし、いつでも手に入る、どこでも食べられる生クリームに感動を覚えなくなって久しいある日。


突然生クリームが手に入らなくなってしまった。

東北地方の地震の後、物流が回復しても一向に生クリームやヨーグルトなど乳製品が市内のどのスーパーにも入荷せず、幻の品となってしまったのである。


食べたいなあと思うときに、手に入らない。

贅沢品だし、我慢しよう、みんな大変なんだからそんなの後回しと思うが、ケーキ屋さんは開業しているしスーパーのスィーツコーナーにはケーキがある。


それなのになぜか家庭向けの生クリームがない。

そうなると、どうしても憧憬が強くなり手に入るなら手に入れたいと思うようになった。


結局1ヶ月以上してからやっと近くのスーパーに入荷されたのを発見し、売り場で小躍りしたあと、即効かごに放り込んだ。

いやはや、なんとも・・・


そのスーパーに入荷された生クリームは、地震前に取り扱われていたたメーカーとは全く異なっており、さらに価格帯も高いほうにずれ込んでいた。

しかし、目の前にある。

とりあえずはこれを手に入れようと納得して購入したが、気になる点はいくつかあった。


なぜ品揃えが全く変わったのか、なぜ1ヶ月以上経ってからの入荷となったのか、お値段が高めに設定されているのか・・・・


地震により流通の関係かメーカーの事情で品揃えが変わったのかもしれないが、消費期限の短い生クリームを大量に仕入れていることをみると、余震によるリスクを考えて入荷しなかったというわけではないらしい。


売れるだろうと見込んでの入荷かもしれないが、ぶどうさんの記憶が確かなら、他店よりも値段設定が40円も高いのに、短い時間に売り切れるとは思えない。


とりあえず継続して入荷して欲しいので高めの売価で2度ほど購入したが、記載の消費期限近くにたまたまスーパーに行ったら案の定売れ残っていた。

賞費期限まであと3日で20%オフ、2日で30%オフ。


20%オフといえど、以前は他店でそれくらいで売られていたのだから、それでとんとんくらい。

なんだかなあとそのスーパーでの先行きに一抹の不安を覚えたが、それでも売れてはいるんだろう。

また新しいのが入荷されていたので。


後日、他の2軒のスーパーで、同じ会社の生クリームの売価をチェックした。

すると。

やはり近くのスーパーより40円安い設定で売られていた。


なんだ、値上がりしたわけでもなんでもなかったのだなと思いはしたが、2軒のうちどちらのスーパーも賞費期限間近、1軒はあと2日しかなかったのに、通常売価だった。

この商品は売れると見込んでそうなのか、それとも消費期限ぎりぎりに見切り品にするのだろうか。


さすがに必要もないのに見切り品ちかくの生クリームを買いたいとは思わないので、そのままやり過ごした。

せこいぶどうさんでも、値段と状態を天秤にかけて、理性が勝ったのだ。


もし消費期限が沢山残っているんなら、本音言えば安いほうのスーパーで買いたい。

いつもいくスーパーが値段を見直してくれないかなと、ちょっぴり期待しているところだ。無理だろうけど。


とはいえ、値段が安くなっていつでも買えるという状態が続けば、また生クリームに執着がなくなっていくんだろうなあ。


まったく、ぶどうさんって、勝手だね。