新しいジーンズを手に入れたぶどうさん。
買ってしまった後で、今までのサイズとちっとも変わらないことに気がつき、少々落ち込み気味。
おまけに、ジーンズが入ったというだけの理由で喜んでしまいすそ上げを頼んでしまったため、ジーンズの型を見ていなかった。
買う前は、スキニーは絶対に無理だからせめてすっきり見えるストレートにしようと思っていたのに・・・あろうことかベルボトムにしてしまったのだ!
ベルボトムといっても、かつてのパンタロンブーム時代のどでかい裾というわけじゃあない。(覚えてます?)
今はブーツカットというらしく、広がりは控えめだ。
なんにせよ、なんでベルボトムを買っちゃったんだろう????
これじゃ、太ももぴっちりふくらはぎぼってりじゃあないか!
でももう買ってしまったのだ。
履くしかない。
履いてみると、案の定膨らんだ足回りがうっとうしい。
そして、太ももはぴっちり。
スロトレをがんばっても足回りの皮下脂肪とセルライトは減っていないという結果を突きつけられることとなった。
それでも新しいジーンズは嬉しい。
複雑な気分ではあるが、自分の姿を確かめようと珍しく鏡を見ることにした。
鏡といっても全身の映る鏡はうちにはない。
ダイエットをする人の必需品であり、マダムの身だしなみを確かめるのに必要と思うが、引越しのとき邪魔だし、地震で壊れるのが恐ろしいので夫から許可が下りない。
唯一あるのが洋服ダンスについた細長い鏡。
たんすの内扉を開き、半身以上姿がうつる鏡を神妙な面持ちで覗き込んだ。
すると。
長くて寸胴の上半身と、相変わらずぴちぴちの太い太もも部分が目に飛び込んできた。
おまけにたぷたぷと布が余るひざ下。
ああ・・・・と予想通りの結果にがっかりしそうになったそのとき、ちょいと待てよ、という声がした(どこからよ?)
確かに、欠点は丸見えである。
しかし、ベルボトム効果か、なんだか足が長く見える。
太もものぴっちり感は、ひざ下の余った布のおかげで足全体としてみればさほどインパクトを与えていないようだ。
いやいや、それどころか見た目がすっきり足長に見えるじゃあないか!
・・・・これは・・・・いけるかも?!
目の錯覚、つまり目が脳みそが騙されているのはわかっているが、自分が素敵に見える。
まるで、ダイエット特集にでてくるサイズダウンしてポーズをとっている女性みたいだ。
さらに、ほんとにやせた時の自分の姿が垣間見えたような気がするではないか。
おおおおお!
スロトレはなんの効果もないかもと半ば諦めていたが、やっぱり効果があったのかもしれない。
途端に希望の光が差し込んだようで、体を動かすことへのモチベーションがアップした。
もっと続けたら、きっと錯覚ではなく本当に素敵な自分になれるんじゃないかという気さえする。
サイズが変わっていなくとも、太ももが細くなっていなくても、そんなの誰にもわからない。
自分の心はだまされなくとも、そんなの問題ない。
まずは錯覚でもいいから見栄えのよくなるものを利用することで、がんばっている成果を目にすることが大事なのかもしれない。
この一件で、変えよう、変わろう、そのために何かがんばったら何かが変わるのではないかという気がした。
はじめは目の錯覚であったとしても、自分の心は真実を知っていたとしても、いずれそれが本当になる日がくるかもしれない。
失敗だらけの新しいジーンズは、いろんな気付きをもたらした。
このジーンズを履きつぶす前に、サイズダウンした新しいジーンズを買いにいけるよう、せっせと体を動かして素敵に見えるようになるぞと心に誓うぶどうであった。