私は北国に住んでいる。
昔欽ちゃんに出演していた、気仙沼ちゃんというチャーミングな女性がいた。
子どもだったので気仙沼がどこにあるかは知らなかったが、すごく北の国だと思っていた。
少し大きくなってから、気仙沼が宮城県にあると知った。
そして、宮城は比較的便利な場所にあり、仙台という大都会があることは訪れるまでわからなかった。
けれど、今はそれ以上に北に住んでいる。
今でも、たまに信じられない思いになる。
冬は寒いし夏はあっという間。
気候が違えば植生が違い、建物の作りも違う。
けれど、それ以外はあまり変わりがない。
日本はどこに住んでも似たり寄ったりだ。
そして、一体自分が日本のどこにいるのかわからなくなる。
日本地図でここに住んでいると指し示すことはできる。
けれど、それが何になるのだろうと、暮らしながら思うようになった。
住めば都。
決して便利ではなく、公共のサービスは充実していないしお店もない。
歩きや自転車は季節限定、車がなければ生活できない。
一方で自然や恵みが豊かで、人口が少なくその土地内で生きようとすれば悪くないところだ。
転勤族は、辞令を拒否することはできないし、地域や時期を指定することはできない。
家族はそれに従うことになるが、そうそうまともな土地ばかりにいけるわけではない。
まだまだ転勤生活は続きそうだ。
次々と見知らぬ土地に住む、考えてみればそれも又楽しいかもしれない。
その土地に住んで何を受け取り何を与えることができるのか。
終の棲家を見つける過程で、沢山の発見と収穫を抱えながらばら撒きながら、人生大いに楽しみたいものだ。
マダムは豊かな女。土地土地の実りを受け渡ししてお互いに栄えるべし