つい最近、ちょっとした事件があった。
事件といっても、警察沙汰になったとかそういう意味ではない。
どこかの酔っ払いが家を間違って、未明のうちのドアをたたいてびっくりした!というだけの話である。
家を間違ってますよ~と言ったら、どこかに行ってしまったので、それだけなのだが。
たったそれだけなのに、しかし私はその後ひどい興奮状態で眠れなくなってしまった。
びっくりしたからかなと思いつつなぜなのか不思議だったが、あとから、これはデジャブか過去世になにかあったのではないかと思うようになった。
過去世であって過去ではないのは、私の両親や兄弟、そして夫など身近な人に酔っ払う人などいないからだ。
酔っ払っても機嫌がよくなる人ばかりなので、酔っ払いで驚いた記憶など私にはない。
私は就寝していたにもかかわらず、ドアをたたかれるその前、つまりその人物が階下のドアを開けて階段を上り一直線にうちの玄関の前に来るのに気が付いていたのだ。
最初は随分うるさい新聞配達だなと思ったが、すぐに何か狂気が迫るような声がする気がして息を殺した。
案の定私のいるところでぴたっと足を止めたことに「ゲームオーバー」的な気分になったのに気が付いた。
幸い私は安全な場所にいることを知っていたので、冷静に対処することができた。
あの雰囲気や状況にどこかひっかかりや記憶があるかもしれない?と思い返しても、なにかがフラッシュバックするわけでもパニックになるわけでもなかった。
たとえ過去世でなにかあろうと、あったという思い込みだろうと、
「私は現在戦争のない国の、時代の、安全な場所にいるということを知っている」と静観すれば自身の中で混乱や混沌を生み出すことはないという自信がついた。
見知らぬ人の失敗が思いもよらぬ学びの場になったわけである。
しかし、ひどい睡眠不足に陥ってしまったのは否めないので、もう間違わないで欲しい。
マダムは前向きな女。人生のあらゆる場を学びの場とするべし