遥か昔、世界には海しか無かった。
そこに母なる大地【テ・フィティ】が現れ、多数の大地や植物、動物を生み出した後に眠りにつく。
その後、あらゆる魔物たちがテ・フィティの心(力の源)を我が物にすれば、万能の力を手に入れられると考えた。
そんな中で【神の釣り針】を使い自在に姿を変えることのできる半神半人の【マウイ】がテ・フィティの心を奪ったことにより、【闇】が誕生する。
その闇は日に日に島から島へと広がり、やがては全てを呑み込むだろう……。
的な前置きから物語はスタート。
ただ、この映画は少し違った。
まず第一に、「いつか海の向こうに出たい!」と考えるモアナに対する父親の「絶対に海に出てはならん!」という台詞。
今までなら、主人公の夢見る台詞に対して頑なに否定する親や周囲といえば、「ダメと言ったらダメだ!」みたいな、ただ頑ななだけなパターンがほとんどなんだけど、今作は違う。
主人公モアナの父親もまた、モアナと同じく海に焦がれ、海に出ようとした人間だった。
しかし海の厳しさに翻弄され、親友を亡くしてしまう。愛娘まで同じ目に遭わせたくないという思いからこその頑なな否定の言葉だった。
さらにいうと、冒頭で悪役のように語られたマウイも、いたって普通の人間だった。
冒頭で悪役のように語られる要因となった「テ・フィティの心を盗んだ」というところも、本当の理由は「人間の要望に応えるためにやむなく盗んだ」というものだった。
つまりマウイは私利私欲のためではなく、あくまで周囲の期待に応えるために行ったことになる。
事実その設定は徹底されていて、終盤になって突然マウイが手の平を返すようなこともなかった。
さらに言えばラスボスのように描かれた溶岩の魔物【テ・カァ】も、実際は心を奪われた事で自我を失ったテ・フィティだったという展開。
個人的には、悪役もラスボスも居ないディズニー映画ってモアナくらいじゃないかな?と思う。
勿論ディズニーならではのギャグ要素(この場合、ギャグ鶏?)もあるから笑いながら観れるのもかなり良い。
個人的には、モアナの祖母がエイに生まれ変わってモアナを導くシーンが今作一番の感動ポイントだった。エイが出て来た瞬間に全てを理解して即泣きしました。
ところで全然関係はないんだけど、モアナと伝説の海のテ・フィティ、【ファンタジア2000】の火の鳥編に出てくる自然の女神様(?)がモデルなんじゃないかと割とずっと気になっている…………