子どもの頃、母から「さるも滑るほど幹がすべすべだからサルスベリと言うのよ」と習いました。私が初めて覚えた木の名前です。

母が晩年過ごしたベッドからサルスベリの木がよく見えていました。
先日、義妹(弟の妻)が「サルスベリの木を見たら、お義母さんを思い出します。部屋からよく見えましたね。」と言ってくれて、ふと母がサルスベリの名前を教えてくれたことを思い出しました。

子どもの頃、本当によく公園に連れて行ってくれた母。
そのことを母に話すと、「お父さんの転勤で暮らしたまちで、いつかこっちに帰ると分かっていたから、あっちにいる間にいろいろな公園に行こうと思っていたの」と話してくれました。母にとってあの時間は自由で楽しい時間だったのではないかと思います。もう、確かめられないけど。
私にも楽しくて、輝いていたときでした。もう、伝えられないけど。