第8章 テレビ山口 TBS系&フジテレビ系&テレビ朝日系トリプルネット→TBS系&フジテレビ系クロスネット→TBS系マストバイネット

ニュースネットの切れ目が縁の切れ目に


旧ロゴ

テレビ山口社屋

今日は様々な事情に振り回されたテレビ山口を取り上げます。

山口にも影響した福岡での動き

TBS系としては異例の開局
1970年4月1日に山口県の第二民放局として開局し、出資者にな宇部興産(現・UBE)が関与していました。
そして、山口県の地元新聞社は資本が弱く、参加を見送った為、JNN排他協定の条件の一つである地元新聞社を資本に組み込む事が出来なくなり、代替に全国紙から毎日新聞、朝日新聞、産経新聞が加わる事になり、結果としてTBS、NET、フジテレビのトリプルネットとなりました。

系列整理のはじまり
そして、1978年7月にNET改めテレビ朝日がネット保証契約の打ち切りを通告、結果TBSとフジテレビのクロスネットとなり、テレビ朝日は山口放送とのクロスネットとなり、山口の民放は1:1互いにクロスネットとなりましたが、テレビ山口では一部テレビ朝日系番組を継続して放送していました。
1978年10月から1987年9月までのテレビ山口はTBS系メイン・フジテレビ系サブのクロスネットでした。
そのクロスネットの影響で一部ゴールデンタイムはフジテレビ系の番組を放送しており、「まんが日本昔ばなし」は最後まで同時ネットが組まれませんでした。

フジテレビとの決別
1987年昭和62年)3月、フジテレビから次のような申し入れがありました
  • キー局と系列局はフィフティ・フィフティの関係にあり、フジテレビとテレビ山口はフジテレビ系列の一員として、今後とも友好関係を保ちたい。
  • ついては、テレビ山口はフジテレビの昼(『FNNニュースレポート11:30』)・夕(『FNNスーパータイム』)・夜(『FNNニュースレポート23:00』)のニュースのうちいずれか1本をネットして欲しい。併せて、ニュースの入中を行ってもらいたい。
  • ニュースのネット受けに応じられない場合、10月以降、テレビ山口はフジテレビ系列から外れてもらうことになる。

フジテレビ系のニュースはJNN排他協定の都合上、放送する事が出来ず、結果FNS離脱を余儀なくされました。
フジテレビはKRY・山口放送の筆頭株主でした。その関係でフジテレビは日本テレビ系メイン・テレビ朝日系サブのクロスネット局だった山口放送にフジテレビ系加盟によるトリプルネット化を要請しましたが、山口放送は拒否しました。
その為、フジテレビは一時期テレビ山口を完全なフジテレビ系にしようと乗っ取ろうとしていた様に思え、後に喧嘩別れしたYTS・山形テレビとは対照的に離脱後もフジテレビ系番組の番宣ネットは現在でも続いており、「ダウンタウンのごっつええ感じ」は逆にKRY山口放送からネット移籍をした程でした。
面白い事にテレビ山口と山形テレビはUHF時代の親チャンネルが同じ38CHと、同じローマ字が使われている(TYSテレビ山口・YTS山形テレビ)と嘗てはFNSに所属してたのも興味深いと言えます。

そして山口第三局開局へ
その後山口第三民放局が開局しますが、上記の経緯と周囲にフジテレビ系列局が点在し、青森地区と同様に誰もがフジテレビ系列局が来ると思っていました。
処がフジテレビは新局設置に消極的で、余り乗る気でなかった隙を突かれ、テレビ朝日系YAB・山口朝日放送として開局し、フジテレビ番組は山口放送とテレビ山口で二等分する事になりました。


テレビ山口現在のロゴ

テレビ山口がJNN協定を死守した事でフジテレビを離す結果となりましたね。