テレビ朝日2012年度平均視聴率ゴールデン帯・プライム帯のトップが確実となった。2012年「年間」プライム帯トップに続き、開局以来初の快挙となりそう。プライム2帯(テレビ朝日系のみ呼称の時間帯/23時~25時)は8年連続トップへ。全日帯については、日本テレビがトップを死守する見込みだが、その差は0.1ポイントの僅差だ。



 その一方で、フジテレビの転落ぶりが目を引く。ここ最近では、久しく苦戦が続くTBSと並ぶようになった。いま、テレ朝・日テレのトップグループと、フジとTBSの3位グループに2極化している。振り返れば、かつての王者2局が…との思いだ。

 TBSは1963年から1968年と1972年から1981年までG帯で16年間トップだった。その間の1978年には民放初の3冠王となっている。TBS黄金時代だ。それ以降は以下のとおり。


(以下は年間ベース)
1982年~1993年 フジテレビ12年連続3冠
1994年~2003年 日本テレビ10年連続3冠(ノンプライム加えると4冠)
2004年~2010年 フジテレビ7年連続3冠
2011年      日本テレビ3冠
2012年      日本テレビ全日・G帯2冠/テレビ朝日P帯1冠

 今でこそ万年4位のTBSだが、他局に3冠を獲られようとも常に上位争いしていた。フジは80年代、いわゆる軽チャー路線、「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチに大躍進。毎週のように “大入り袋” と、今では考えられない時代で、長期政権を築く。やがてバラエティ等で力をつけた日テレがトップの座につくが、巨人戦の視聴率低迷を契機に、再びフジがトップを奪還するという劇的な展開となる。

NHKも1969年から1971年まで3年連続全日帯民放トップを記録した事は知られていない。

 時代はめぐるかのようだが、これら視聴率争いの陰では、ライバル局を相当に分析した成果もあげられる。かつては、名プロデューサーなる人物らを尾行して、いつ、誰と会ったか、そこまで研究したこともあったようだ。


 テレ朝は慶大と共同で始めた番組アンケート調査「リサーチQ」の活用や、サッカーや水泳など大型スポーツの放映権取得を契機にじわり数字を伸ばす。2002年の全社変革推進運動に始まり、人員体制・体質改善を進めて今日につながる。いまテレビ朝日の時代がめぐってきた。全日が僅差に詰め寄る勢いにあって、次なる目標は全日・G帯・P帯の3冠だ。押され気味の日テレがどう巻き返すか。世代交代も課題というフジの3度目の劇的勝利はいつ来るか。


 2012年度視聴率の結果は4月1日(月)明らかになる。その日は入社式。各局の社長はどんな挨拶をするのか、これにも注目したい。
文化通信より抜粋

驚きです。テレビ朝日が視聴率トップに立つ時代が来るとは思いも寄らず、時代は変わると実感します。

全ては1996年から始まった 
テレビ朝日は曾てアニメ等の子供番組と年配層の時代劇、土曜ワイド劇場、ニュースステーションがメインでした。1996年海外の投資家マードック氏と孫正義氏の経営介入、改革、お家騒動を期にテレビ朝日は変貌しました。
まず、当時肥大化していたアニメの縮小、その分弱点だったドラマやバラエティーを強化し、ジャンルの平準化を図り、即ち満遍なくジャンルを強化した事が、今日の下地を作ったと言えます。

これからの問題点 
個人的に考えるテレビ朝日が今後も視聴率競争を生き残る課題は以下の事に思えます
1・ドラマが「相棒」シリーズべったり
2・フジテレビと同様バラエティーや情報番組の拡大SP乱発でキチンと放送しない
3・特番ばかりに頼り過ぎ
4・アニメ&特撮のラインナップ固定保守化
5・ドラえもん&クレヨンしんちゃんの特番休止多発
で、1と3は今後改善が望まれ、ドラマは相棒以外の作品の登場が待たれ、2と3はキチンとレギュラー番組を放送しないと視聴者や出演者や製作プロから嫌がられる事が想定されます。
4と5は2004年以降顕著に表れており、曾ての珠数玉の様な豊富なラインナップを知る者としては寂しいばかりで、4月以降も放送延長が決まった「聖闘士星矢Ω」も以前ならゴールデンタイムで放送された筈で、今ゴールデンで編成されてもバラエティー拡大SP乱発でマトモに放送されないでしょう。
また、メ~テレ担当枠を除くニチアサのラインナップ固定保守化も憂慮しており、バンダイと東映の二重の独占を打破しないと何れ手詰まる事が予想され、プリキュアシリーズは一応今年の「ドキドキプリキュア」が最終作と言われていますが…。
最後は94年の「美少女戦士セーラームーンS」と「スラムダンク」の頃から続く問題で、09~11年の火曜アニメもマトモに放送されないまま打ち切られ、ドラ&クレしんも現在苦境に立たされています。