陰と陽~世の定め~ | ~しなやかに生きる~

陰と陽~世の定め~

今から二千五百年以上も昔・・・


北インドでひとりの青年が

人間とはどのような存在であるかについて悩んだ


恵まれた環境にあった彼が最後に辿り着いたのは

<生老病死>という原点だった


人生は苦しみに満ちている

四つの想うに任せぬことでできている


それを知った彼はそこに安住してはいられなかった・・・


この青年が後のゴータマ・シッダールタ

すなわち釈迦


生まれ出づること 老いてゆくこと

病を得ること そして死んでゆくこと


文明が進歩しようと 時代が変わろうと 民族が異なろうと 

これは人間の共通の運命的な条件である


・・・こう考えました

こういう考え方は徹底した<究極のマイナス思考>であると思います


ではそういうものを背負った人間が 

それでもなお生き生きと希望を持って生きていく道はあるのか、


後にブッダと呼ばれる青年が

こういう魂の探究の旅に旅立ったのが二十九才の時でした


彼は究極のマイナス思考から出発して最終的に人間の存在を肯定し

ブッダ(悟った人)と呼ばれるに至ったわけです


彼の言葉が人の心を打つのは 究極のマイナス思考から

確かなプラス思考をつかみだしたが故ではないでしょうか


これまで云われてきたプラス思考と呼ばれているものは

じつは安易な楽観主義であり、漠然とした希望であって

本当に生きる力になるようなものとは思えません


本物のプラス思考は 究極のマイナス思考と

背中合わせなのではないか・・・



  ・・・五木寛之著「他力」の一部から

      まとめて採り上げてみました


思えば人の世は、相反する極端なものごとが

一見別なもののようで実は重ね合っている

表裏一体というべきものに満ちています


プラスとマイナス 生と死 喜びと悲しみ 自由と束縛


忙しく辛い時もあれば 心穏やかにのんびりと過ごせる日もある・・・


こうなると最も大切なのはバランスということなのだと思います

このバランスをとるということが実は私の大きなテーマでもあるのですが・・


常に何があっても天秤がつりあうようなところに持っていきたいと

無意識にそれだけを目指しているようなところがあります


その状態になるために いろいろ いろいろ やるわけです。



一番大きな姿で 私たちにそういうこの世のからくりを

示してくれているのが 太陽と月ではないかと思います


~月と太陽~ 陰と陽



私の寝室の窓からはお月様を見ることができます

日や時間やお天気によっては眺めながら眠るということもできます


月の光がネオンよりも広い範囲を照らしているように(あたりまえですが)

明るいときもあり・・・


月の光はやさしくて、明るくても何も妨げることなく


ただ煌煌と世の中のあらゆるものに

静かなエネルギーを与えてくれているという風に


聖なる慈愛をそそぎながら

美しく優雅な姿で佇んでくれています


昼間は太陽が違った明るさで照らしてくれます


力強い精に満ちたあらゆる信頼を与えてくれるような

エネルギーをそそいでくれるかのように・・・


人間は本当に大きな恵みに守られて生きることができているのだと

ありがたい感謝の気持ちで一杯になります


月と太陽 太陽と月

陰と陽 陽と陰


辛い日もあれば

楽しい嬉しい日もある


こういう感じで

生きていけたら良いですね・・・