悲しみの法則 | ~しなやかに生きる~

悲しみの法則

週に一回、近くの婦人コーラスの指導をしているが

先日、この中のお一人の、とても素敵な

お慕いしていたご婦人の死に出会った


もうすぐ80という御年でいらっしゃったのだが

とても美しく、優雅な佇まいの

昔の楚々とした女性の典型のような方で

私はこの方に随分色々ご教示をいただいた


最初の出会いの時、

今でも良く覚えている印象深い場面がある


前の指導者が大学時代の先輩だったので

そのあとを継ぎ、第一回目の練習日・・


曲目は学生時代だった

終わって何気ない雑談の中でのこと。


「私小さい頃、〝ツタノーカラマールチャペールデ・・〟

  って呪文のような祈りの言葉、なんだって

     ずっと思い込んでいたんですよ」

(冒頭の部分♪蔦の絡まるチャペルで、のところ)


と お話ししてみた

するとその方がすぐに私の手を取り、少女のように

「まあ! 同じような方がいたなんて何て嬉しいこと!」

とおっしゃった・・・ とっても嬉しかった


その後も話すたびに気が合い、

私はこの方のように生きることが出来たら

どんなに素敵な人生になるだろうと思っていた


本当にお別れは辛かった

でも自分でも驚くほど冷静に受け止められ

次の出会いに繋がるような気さえした


昔、高校生の頃 

同居していた祖母の死に出会った時、

棺が炎の中に消えようとするその瞬間まで

取りすがり、泣きわめき、


自分も一緒に入ると言い、

周囲を困らせた少女だった私が


この人生の年月の中で 

こういう強さを持つように少しは成長できたのも

神様の御計らいであるような気がする


人間は人生のあらゆる苦難を乗り越える時、

その為の強さを持つように

神様が少しずつ歳を追うごとに

いろいろな経験を与えてくださるよう

準備して下さっている気がする


泣いてしまうと

悲しいことと認めてしまうことになり

そうしてしまいたくない自分がいる・・・




    ついでに・・・ そういえば

ずっと長年気になっていることがあるんですが・・・



武田鉄矢「贈る言葉」の中に

   

   ♪悲しみこらえて微笑むよりも

    涙枯れるまで泣く方がいい

    人は悲しみが多いほど

    人には優しくできるのだから・・・


という一節がありますが・・


   これって 


   どう考えてみたって


   悲しみの量って


   同じだと思いませんか?