菩提寺は曹洞宗です
 
説法会が開催されるから
参加して貰えないかと
役員さんに頼まれました
 
参加希望者が少ないようで
人数集めに苦労されてました
 

 

説法とか法話は
嫌いじゃないし
お坊さんのお話に
興味があったので
喜んで参加しました
 
高齢の僧侶がおいでになると
勝手な想像をしていたら
 いらっしゃったのは
穏やかで優しい口調の
爽やかな若いお坊さん

法話を始めて半年の初心者
と自己紹介をされました
 
受付で配布された
布教教化に関する告諭を
元にお話しを進めますが
ただ読んでるだけ

 

 

ここで笑いを取る予定の
ウケ狙いの話もスベる笑
 
眠くなってきたなーと
瞼を閉じてる時間が
長くなってきた頃
ご自身の話を始めました
 
ご実家は神奈川県で
お父様が住職と教員を
兼職されている小さな
お寺の息子さんとのこと
 
お母様が50代前半で
若年性アルツハイマーに
なってしまいました
 
病気の兆候が出始めた時は
修行僧として永平寺に上山
する直前だったそうです
 
修行を終え下山した時には
かなり病状が進行していて
お母様の頭の中の消しゴムは
たくさんの思い出と記憶を
残酷に消し去っていました
 
永平寺の厳しい修行を終え
帰って来た息子のために
好物の手料理を用意して
おかえりなさい!と
迎えたかったでしょうね
 
どんどん消えていく記憶
昨日出来てたことが
今日は出来ない辛い現実

憑依したように
お母様の気持ちが
解ります
 
 
理解していても
つい声を荒げて
怒ってしまった夜
お母様は電気も点けない
真っ暗な部屋で1人
ごめんなさいごめなさい
と繰り返していたそうです
 
何の見返りを求めることなく
一心に子を思うのが母親
 
子のために何も出来ず
迷惑をかけるだけの
存在になってしまったら
 
辛いよなー泣
無念さに押し潰されそう
 
今は家族が協力して
お母様を支えていると
仰ってました
 
説法会が終わり廊下を進む
凛とした彼の後ろ姿に
たくさんの思いを込めて
手を合わせました  
 
合掌