こちらに来たばかりのころ、よく耳にしたけれど意味のわからなかった言葉のひとつに、 oposicion というものがありました。英語のoppositeと関係あるのは間違いない、という音と綴りなのに、「反対」とは全然関係のない文脈で使われている。こういうとき、本当はすぐ辞書で調べるべきなのでしょうけれど、なんとなく「耳につく言葉は意味が自然にわかってくるまで待つ」という変なクセがあって、ずっとナゾが続いていました。単なる怠慢だろうか・・・
結果から言えば公務員試験のことでした。しかしなぜ「公務員試験」という言葉がそんなに耳につくほど使われているのか。それはここがやたらと公務員志向の高いところだからです。大学でも、インテルカンビオ(語学交換)の相手と話していても、とにかく公務員になりたがっている。なぜだ?! と非常に不思議だったのを覚えています。
その謎は今でも完全に解明されてはいないのですが、ひとつには公務員職がとても多いからではないか、と思います。教師や大学講師に職員(スペインにももちろん私立の大学はありますが、日本とは数も割合も比べ物にならないと思います)、役所にもやたらと人がいるし、もちろん観光名所の職員も、心理学者までみんなみんな公務員です。人気職だけあって、条件も民間よりいい場合が多いらしい。一年間休職して外国で他のことをしてみたり、給料がよかったり。バイオをやっていて研究職の友人は、「絶対国立の研究所よ!」と力説していました。もちろん彼女も公務員です。
あとは大学にいると、年齢が若くてもとにかく安定志向が強い人が多いのを感じます。これはひょっとしたら地元意識の強い街に住んでいるからかもしれませんが。生まれたのもここだし、育ったのもここ、働くとしてもこの街かせいぜいアンダルシアの中でしか移動はしたくない。私はおととし一年間文学部で勉強したのですが、周りのいい若者(24,5歳くらいまでですかね)が卒業後の職さがしをしていて、「語学教師のインターンがあるんだけど、遠すぎるからやめた」というのを何度となく耳にしました。どこ?と聞くとモロッコだったり中国だったりします。一年くらい行って来い!と私などは思うのですが。英国やフランスならとにかく・・・って、フランスよりモロッコのほうが近いのにね。それに日本から来た私が目の前にいるのに、中国が遠すぎるってことがあるかい。
ということで、安定志向だから、金銭的な理由でも地理的な理由でも公務員職が非常に人気なのかしら・・と考えたりもします。人気職だけあって試験は非常に難しいらしく、フルタイムで試験勉強をしている人もたくさんいます。もちろん公務はとても大切ですが、民間職よりもそんなに条件がよくていいのか?! と私などは思ってしまいますが。