作家の古井由吉(ふるい・よしきち)さんの訃報を受け、芥川賞も受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、追悼コメントを発表した。
又吉は「古井先生の作品に触れたのは、二十代の頃、『杳子・妻隠』という文庫本を手にしたのが最初でした。
そこに書かれた言葉を目で追っていくと、一つ一つの文章が生きているように膨らみ、比喩ではなく実際に脳が揺れるような感覚がありました。
あのような読書体験は初めてでした」と回想。
また、「私にとって『山躁賦』は師のような小説です。『やすらい花』、『蜩の声』は何も読める気がしない夜に何度も読み返した作品です。最近も『この道』を読んだばかりでした」と古井さんの作品の思い出を振り返り、
「お会いするたびに古井先生は気さくに声を掛けてくださいました。その優しさと作品にどれほど励まされたことでしょうか。感謝してもしきれません」と悼んだ。
「内向の世代」の作家として知られた古井さんは、『杳子』での芥川賞のほか、多数の文学賞を受賞。芥川賞選考委員を務めるなど、日本の文学界の振興を担ってきた。
また、又吉の文才をいち早く見出したといわれている。
ORICON NEWS より
芥川賞作家で、「内向の世代」を代表する古井由吉さんが18日午後8時25分、肝細胞がんのため東京都世田谷区の自宅で死去した。
82歳だった。
心よりご冥福お祈り致します。