日頃から愛犬を観察していると、ちょっとした変化にも気付けるようになります。
このように観察をしていると、いざ愛犬が危険な状況に陥っているときでも、その異変にすぐ気が付くことができます。
今回は犬がしていたら危険な行動をご紹介します。
犬の異変を見抜けるのは飼い主だけ
犬は言葉を話せないので、「痛い」「不安」といった気持ちを伝えることが難しいです。もちろん、人間側もそれに気付くことは容易ではありません。
しかし、毎日一緒に過ごし、観察している飼い主であれば、「なんだか違和感があるな」などとちょっとした異変に気付く人は多いです。この違和感を放置するのではなく、なぜそうなのかを考えることが重要です。
もしかすると、犬からのサインかもしれません。愛犬が危険な状態に陥っているということを気付けるのも、それに対応できるのも飼い主だけです。愛犬のためにも日頃から様子を観察する癖をつけましょう。
犬がしていたら危険な行動とは?
では、犬がしていたら危険な行動とはどのような行動なのでしょうか。今回ご紹介する行動を見せるようであれば、1度病院へ連れて行き、診察してもらってくださいね。
1.頭を擦り付ける
壁などに頭を擦り付けるような行動を見せることはありませんか。何気ない日常の一コマにも見えますが、実は神経系のトラブルが起こっている可能性があります。
神経系のトラブルとは、中枢神経が損傷していたり、脳卒中や脳腫瘍を発症している、または予兆などが挙げられます。非常に怖い病気なので、早急に病院へ連れて行かなければいけません。
この頭を擦り付けるという行動は『ヘッドプレス』と呼ばれていて、このように脳や神経に関わる病気のサインとして知られています。頭を擦り付ける行動には十分注意してください。
2.おしりを擦り付ける
頭ではなくおしりを床に擦り付けるような行動を見せたら、肛門腺が詰まっている可能性が考えられます。肛門腺はその犬特有の体臭を分泌する部位を指します。
この肛門線が詰まってしまうと、なかなか排泄が難しくなり、犬自身がとても不快でつらい状態となってしまいます。命の危険性があるわけではありませんが、そのまま放置してしまうとストレスにも繋がりますので、病院できれいにしてもらいましょう。
3.口をくちゃくちゃと動かす
ふと愛犬を見ると、口をくちゃくちゃと動かすような行動を見せていたということはありませんか。キッチンやダイニングテーブルの周辺であれば、何か食材を誤食している可能性が考えられます。
食材によっては非常に危険性が高いので、中毒症状を引き起こす恐れもあります。例えば、玉ねぎなどのネギ類は、家庭料理でも使われることが多いです。何かの弾みで床に落ちてしまい、それを飼い主が気付かないうちに犬が食べてしまうこともあります。
食材による中毒症状は、その犬によって症状に個体差があります。死に至る犬もいれば、嘔吐や下痢だけで済む犬もいるので、食べてしまった疑いがある場合、念のため病院へ相談しましょう。
4.前足を執拗に舐め続ける
前足を執拗に舐めている場合は、強いストレスを感じているサインの可能性があります。寂しさであったりイライラであったり、そのストレスの原因は様々ですが、前足を執拗に舐めることで気を紛らわそうとしているのです。
あまり我慢させすぎると健康にも悪影響を及ぼす上、前足が皮膚炎を引き起こすこともあります。また、ストレスがより強くなると、自傷行為を行う犬もいるので、早い段階で対処するようにしましょう。
5.頭を傾けながら歩いている
「なんだか頭が傾いている気がする」という違和感を感じたら、運動失調症を発症している可能性があります。運動失調症とは、平衡感覚が麻痺してしまい、体のバランスを保てなくなる病気です。
運動失調症の他にも視覚にトラブルが起きていたり、食中毒や脳卒中を引き起こしているときにも、頭を傾けながら動いていることがあります。どの病気であっても非常に怖いので、すぐに病院へ連れて行き、相談しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。見過ごしてしまいがちな行動であっても、そこには危険が潜んでいる可能性があります。放置してしまうとストレスに繋がったり、重症化してしまう恐れもありますので、早急に対処するようにしましょう。
記事の監修
- 獣医師
- 平松育子
- (ふくふく動物病院 院長)
山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。
執筆ライター
- 汐里 さん
- やんちゃで甘えん坊な5才のトイプードルを飼っています!うちの子がアレルギー体質なので、獣医さんから聞いた対策方法や実際に試したノンアレルギーフード・おやつなんか…