猫の上手な叱り方とNGな叱り方
最近愛猫が自分のことを避けるようになった、なんだか怯えているみたい……。
そんなふうに感じることはありませんか?
それはもしかしたら猫の叱り方が間違っているのかもしれません。不適切な叱り方をしてしまうと猫が人間不信に陥り、ビクビクしたり攻撃的になったりする可能性があります。
猫の習性に合わせた上手な叱り方をして、信頼関係を保ちつつ愛猫のイタズラをストップさせましょう!
猫に効果的な叱り方と、やってはいけない叱り方をご紹介します。最後に、猫を叱ったあとの対応についてお話します。
猫を叱ったあとしばらくは、優しい言葉をかけたり撫でたりはしないようにしましょう。
叱ったあとは猫がかわいそうになり、すぐに優しくしてあげたくなるものです。
しかしそうすると、猫は短時間のうちに叱られたり褒められたりで、自分が良いことをしたのか悪いことをしたのかわからずに混乱してしまいます。
心苦しいかもしれませんが、猫を叱ったらそのあとしばらくは放っておき、タイミングを見計らって仲直りしてあげてください。
「ダメなものはダメ!」と心を鬼にすることも猫の叱り方には大切です。
 
 
 
猫と犬の叱り方の違い
叱り方やしつけ方は、猫と犬とではかなり異なります。
相手が犬の場合、「こういう時にはこうするんだよ」といった教え方をしていくことが多いです。
しかし猫にそのようなしつけ方をしても、なかなか覚えてくれないばかりか、基本的に自由に行動したい猫にとってはストレスにもなりかねません。
また犬のしつけ方ではなるべく叱らず、良いことをした時に褒めるという方法がとられることもありますが、猫の場合は褒めてしつけることは基本的には難しいです。
もちろん猫だって飼い主さんから褒められたら嬉しかったり心地よかったりすることでしょう。
しかし、群れを作らず1匹で行動する猫にとって、仲間から認められ称賛されることに対する喜びという感覚はあまりありません。
「こうしたら褒められたから次もこうしよう」という思いは育ちにくいと言えるでしょう。
それではどうしたらよいのか?
猫に対する叱り方として最も有効なのは、「こうした時には決まって嫌なことが起こる!だからやめておこう」と猫に学習させることです。
 
猫に有効な叱り方のポイント
猫の叱り方で効果的なのは、「イタズラをしたら自分にとって嫌なことが起きる」と猫に覚えさせることです。
しかしやりすぎや間違った叱り方をしてしまうと、猫が怯えて萎縮したり逆に攻撃的になったりしてしまいます。
猫との信頼関係を壊さずに、猫のイタズラもストップできる叱り方のポイントを見ていきましょう。

イタズラの直後に短く「ダメ!」
猫の叱り方で重要なポイントは、猫がイタズラをしている最中か、イタズラ後でもなるべく間を置かずに叱ることです。
その間隔はできれば0.5秒、長くて1秒の間に叱ることが最も効果的などとも言われていますが、さすがに難しいですよね。
しかし時間が開けば開くほど猫は何を叱られているのか理解できず、効果がなくなってしまうことも事実。
猫を叱る時にはなるべく時間を置かず、現行犯で叱るようにしましょう。
叱る時の声はいつもよりも大きめに、鋭く強く低く発声しましょう。高く優しい声を猫は心地よく感じますので、その逆をイメージしてください。
言葉は「ダメ!」「あ!」など短いものをチョイスします。
ここで注意することは、大声で怒鳴ったりはしないこと。猫は耳がとても良い動物です。
あまりにも大きな声に対しては強い嫌悪感や恐怖心を抱き、その場から逃げてしまうこともあります。
あくまでも「いつもより」大きめの声を意識しましょう。
「飼い主さんがいつもと違う……!」と猫に思わせることができたらGoodです!

猫が驚く音をたてる
イタズラ中に、なにか猫が嫌がる音をさせることも有効な叱り方です。
最も簡単な方法は、手をパン!と叩くこと。猫は破裂音が苦手なので手を叩いた音も好きではありません。
缶に小銭などを入れた物を振ったり、床にポンと投げて「ガシャン!」と音をさせたりしてもよいでしょう。
この場合は猫に当たらないように、少し離れた所で行うようにしてください。
できれば音の発生源が飼い主さんだと猫に悟られないようにすると尚良しです。
注意点として、一定の傾向はあるにせよ、猫によって苦手な音はさまざまです。
愛猫の嫌いな音を把握しておくことも大切です。
音をたてる場合も声と同様、あまり大きすぎる音を出すことは控えましょう。
「これをするとどこかから急に嫌な音が聞こえてくる」と猫に覚えさせることができれば、イタズラも減っていくでしょう。
 
無視が効果的な場合もある
猫がしつこく何かを要求してきた時や、咬んだり引っ掻いたりしてきた時。
そんな時は無言でそっぽを向き、猫から離れて無視をするという叱り方もあります。
「こういうことをすると飼い主さんが構ってくれなくなるし、自分の要求も通らない」と猫に覚えさせる方法ですね。

叱り方のルールを家族で統一しよう
数名で一緒に暮らしている場合、「猫がこうしたら叱る」というルールをみんなで共有しておきましょう。
例えば猫が柱で爪とぎをしていた場合に、ひとりは叱り、もうひとりはスルーしているとします。
そうすると猫にとっては、柱での爪とぎがしてよいことなのかダメなことなのか理解できません。
いたずらに猫を混乱させるだけなので、叱る叱らない、また叱り方は必ず家族間で意思統一をしておくことが大切です。
 
 
猫のNGな叱り方

体罰
猫の身に危険が及ぶような叱り方は完全にNGです。
叩く、殴る、蹴る、物をぶつけるなど、これらの行動は猫の命にも関わってきますし、猫に恐怖心を植え付けるだけ。逆に反抗的になって攻撃してくるか、人間に対する信頼感を失わせる結果となる危険性大です。
「猫に当たらなければいいんでしょ」と、猫を叩くマネをする叱り方も危険です。人間の手に対してマイナスイメージがつき、撫でようとしても逃げたり引っ掻いたりする子になってしまう可能性もあります。

グチグチと長~いお説教
猫のイタズラにイライラして「も~、またこんなことして!この前だってグチグチグチ……」と対人間のように長々とお説教してしまう叱り方もオススメできません。
馬の耳に念仏ではありませんが、猫にとっては何を言われているか理解できませんし、おそらく聞いてもいません。
飼い主さんがただひたすら消耗するだけで、まったく効果のない叱り方なのでやめておきましょう。

名前を呼んで叱る
猫を叱る時に名前を呼ぶことは避けましょう。
猫が名前に対して嫌な印象を持ってしまい、名前を呼んでも「どうせまた叱られるんでしょ?」と、傍に来てくれなくなったりします。
突発的なイタズラを叱る時などについつい名前を呼んでしまうことも多いとは思いますが、なるべく冷静に対処したいものですね。
 
 
 
 

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