今日はこぎん刺しのウェディングドレス「Kogin de Jewel®︎ 〜mariage 〜」の発表会へ。弘前れんが倉庫美術館スタジオBにて開催されました。




純白のドレスにラメ糸と白で施されたこぎんの模様が浮かび上がり、透き通るような美のなかにもあたたかさを感じます。



モデルさんがお綺麗で♡まるでどこかの結婚式にお呼ばれしたような気分になりました。




こちらのドレスは、弘前市のトータルコーディネートショップ「A.select(エーセレクト)」代表を務める佐藤秀子さんが総合プロデュースし、ウェディングドレスのリメイクを手がける神戸市の「Roulotte(ルーロット)」代表・武智弘美さんがドレスのデザインと制作を、



そして、A-selectさんのこぎんブランド「Kogin de Jewel︎︎®︎ 」養成講座を修了された阿保愛美さんがこぎん刺しを担当されたそうです。



かねてからこぎんのウェディングドレスを作りたいと、ドレスを用意してその時を待ち続けていた佐藤さん。そして、こぎんに惹かれて津軽を訪れていた武智さん。



2人は青森県が取り組むFDA(フジドリームエアラインズ)の青森ー神戸線を生かしたビジネス交流事業で出会います。出会うべくして出会ったお2人!



刺し手である阿保さんが、サテン生地にどのようにこぎんを刺したのかというお話も大変興味深くお聞きしました。ひと針、ひと針の細やかな気配りが生きています。




武智さんがかつて津軽を旅した際、弘前市の「佐藤陽子こぎん記念館」さん、そして「ゆめみるこぎん館」にも来てくださり、こぎんに感銘を受けてくださいました。



陽子さんの展示館で目にしたとあるこぎんの衣装を見た時、自分に何かできるとしたら、こぎんのドレスではないかと直感したそうです。



今日のイベントでは佐藤陽子さんも登壇されました。昭和58年(1983年)、故・田中忠三郎さんが収集した「津軽・南部のさしこ着物」786点が、国重要有形民俗文化財に指定されました。



また、忠三郎さん収集の古作こぎんは、陽子さんにも託されました。忠三郎さんにこぎんの将来を託された陽子さんは、2010年、展示館をオープン。以来、古作はもちろん、ご自身の作品も約200点展示しておられます。



今日は貴重な古作こぎん2点を会場にお持ちくださった陽子さん。1枚は、使い古したこぎんの上からさらに刺し子を施した二重刺し部分がある袖なし、もう1着は、西こぎんの長着でした。



こぎんしか着られなかった時代、こぎんは晴れ着でもあったと言われます。陽子さんは、「この長着がもしかしたら晴れの日のため、婚礼のためのものだったかも知れない」とおっしゃいました。それは陽子さんの想像ですが、私もそんなふうに感じました。




古作の晴れ着と、新作のこぎんドレスが並んだ時、涙が出そうになりました。



昔々、農村で、きらびやかな衣装に憧れを持ったかも知れない女性たちが、精一杯の美を求めたこぎん。



一方で、どんな素材でもデザインでも手に入る現代にあって、それでも選ばれた「こぎん」のドレス。



昔の女性たちが辿り着いたこぎんの美、それは現代にも通じる美、永遠の美なんだなぁと証明されたような瞬間でした。



こちらのドレス、リボン部分をほどけばそのまま布として使えるようになっているそう。



布を最期まで使った先人の精神に習って、リメイクできるようになっているんです。なんと素敵な。母から子へと伝わっていくものになるのではないでしょうか。



そんな素敵なドレスと物語に出会わせていただいた今日。ご一緒させていただいた皆さま、ありがとうございました!


誘ってくれた友人にも感謝・. ・*



こぎんの美は永遠だし、これを着たら愛も永遠に続くんではないかしら♡