大晦日の思い出をエッセイ風に^ ^
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喪中の正月というものはあっさりと過ぎていくもので物悲しい。
母と亡き祖母との思い出について、ことさら大晦日の晩のごちそうについて話していた。
思いつくままに書いてみると、鯛のお頭と尻尾とともに盛り付けられた鯛サラダ(マカロニサラダ風)、具たっぷりで盛り付けをどうしようかと悩むのが恒例のお煮しめ、母の好物のナマコ、紅白のかまぼこに黒豆、なます、きんぴらごぼう、昆布巻き・・・
大晦日の晩は家族で仏壇と神棚をお参りし、ごちそうをいただく、というのが我が家の習わしだった。仏間がとにかく寒かった。
祖父が生きていた頃は御神酒もいただいた。小さい頃、朱塗りの小さな盃にひと口もないほどのお酒を注がれ、ペロッと舐めたことがあったが、あれは祖父が許可したからだろう。ピリリと舌がしびれた。
そうそう、茶碗蒸しもあった。板状のお麩と糸こんにゃくも入っていた。母曰く、「あの茶碗蒸し用の器は私が買ったのよ。あれは量がたっぷり入るの」と。確かにうちの茶碗蒸しは大容量だった。底がぷっくりと膨らんだデザインの器。あれはどこへ行ったのだろう。もう誰も使わなくなってしまうのだろうか。
母も私も料理ができない。いや、少しくらいはできるけれど、おせちとか到底無理だろう。祖母から何も教わらなかったことが悔やまれる。写真すらない。
あれだけの料理をひとりで作っていた祖母。手製の漬物も評判だった。「何も作れなくても買って来ればいい」と、作ることを強要しなかった祖母。こぎん刺しもそうだった。
こぎんだけは少しだけ、継承できそうである。
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