第1話はこちら⇒足音
第2話はこちら⇒錯綜
第3話はこちら⇒覚悟
第4話はこちら⇒苦悩
最終話(第5話)はこちら⇒前進
最終話を含む娘の白血病の話、全5話。
思いがけづたくさんの方々に読まれていたようで、励ましやご心配のご連絡をいただきました。
ご連絡いただいた方の中には、ご自身の過去の闘病生活の経験談を元にアドバイスをして頂いたり、知人に白血病から生還された方がいて「何か助けになると思う、話はつけておいたから何か困ったことがあったら連絡してみて」っと連絡先を教えていただいた。
また、お守りの入った励ましのお手紙を送っていただいたり、マスクや消毒剤など現在入手困難な物資を惜しげもなく送っていただいた方々もいて、本当にありがとうございました。
さらに、娘の事をきっかけに定期的に献血へ行っていただける方も増えました。
前回も書きましたが、これほど多くの方たちに、励まされ、心配され、共感していただいたことに心より感謝いたします。
時折ご心配頂いてる方々より、娘の様子を聞かれることが増えてきました。
前回最終話とつづりましたが、上記の事もありましたのでご報告もかねて現在の様子のお話を書こうと思います。
2月末から治療生活が始まった娘。
あれから3か月が経とうとしています。
娘の治療、
順調に進んでいます!(^^ゞ
白血病治療を大まかに説明すると、まず医師の想定した6段階に分けた抗がん剤治療スケジュールを元に治療を進めていきます。
段階ごとの期間はだいたい1か月半から2か月でワンクールです。
抗がん剤投与で一週間ほどかけて悪い細胞も良い細胞もまとめて全滅させます。
その後、輸血や薬のサポートを受けながら自己治癒力により良い細胞の復活を待ちます。と、書きましたがこれはざっくりなんです。いきなりゴツい抗がん剤投与で全滅させるってのは体に負担がかかりすぎるし、1回で悪い細胞が全滅するわけではないんです。しかもまた悪い細胞が復活してくることもあるので、1段階を1ヶ月半~2ヶ月で行い、それを6段階繰り返しに徐々に悪い細胞を消滅させていきます(って聞いた気がする)。
ただし、この段階治療も医師の想定したとおりにいけばスムーズに次の段階へと進んでいけるのですが、途中の検査で治療成果が思わしくなく想定外のことが起きるとそれ以降の治療スケジュールを変更しなくてはなりません。状況次第ではよりキツい抗がん剤投与になったり、最悪の場合、治療不能。。。ってことも。
つまりは患者の経過次第。日々不安は付きまといます。
治療中、その治療の成果の検査は数日ごとに行われます。何十項目もある日ごとに並んだ血中成分表の一覧が毎日プリントアウトされ見ることができます。
現在、第2段階の後半に来ておりまして、うれしいことにほぼほぼ順調に進んでいます。
検査結果を見せてもらいながら、順調ですと先生に言われるたびにホッとしますね。
当初心配していた抗がん剤の副作用である「吐き気」ですが、投薬の種類によっては強く出ることはありましたが、ひどい嘔吐まではほとんどなく持ちこたえれていられたそうです。ただ、そうはいっても常にクルマ酔いしてる感覚が続くのは心折れることもあったはずです。
娘は本当によく頑張っています。
医師や看護師さんから病気以外の心のケアまで含めた手厚いサポートや、同じ病気でほぼ同世代の女の子4人部屋での生活も馴染み元気に治療に励んでいます。
通信無制限のモバイルwi-fiを手に入れた娘は、投薬がキツくないときはスマホ、タブレット、ニンテンドースイッチでゲームざんまい、動画ざんまいの遊びざんまい。
キツイ投薬さえなければ元気そのものなので自由気ままに入院生活をおくってます(笑)
食べ物も、病院食だけってことはなく、火の通った雑菌リスクの無いもならOKとなります。あと細菌リスクを考えた「2時間以内に食べる」というルールを守ればコンビニやスーパーに売ってる冷凍食品のパスタやチャーハンなどは食べても大丈夫。手料理の持ち込みも可。なんなら出来立てならマックポテトも大丈夫。お菓子も2時間ルールで食べられます。飲み物は、ペットボトルなら直接じゃなく飲む分だけコップに分けて飲んで冷蔵庫保管で24時間以内ならOKです。
ダメなのは「生もの」。 刺身、野菜サラダはNG。あと生クリームもNG。調味料のケチャップやマヨネーズも2時間ルールに従わなくてはならないので個包装を使います。
でも、当初考えていた入院生活よりかなり自由がきくんだなって思いました。
この食べ物ルールに味をしめた娘は、定期的に大好きなマックポテトを要求してきたり、冷凍レンチンパスタなどをガンガン要求してきました(笑)
まぁまぁな要求でしたけど。ストレスのたまる入院生活でゲーム以外の楽しみといえば食事。そういうリクエストにはできる限り叶えています。
やがて、第1段階から第2段階に入る前に、1日だけ一次帰宅が許されました。
頭には、お気に入り帽子を深くかぶり、病室を出てクルマに乗り込みました。
タイミングよく、丁度桜が満開の日に一次帰宅が許されましたので、連れて帰る途中桜の名所を回っていきました。
娘にとってはほぼふた月ぶりの病院の外。病室の窓から見える同じ景色ではない光景に、見るものすべてが新鮮に映ったそうです。
クルマ越しではあるけど、満開に咲く公園の桜をとてもうれしそうに眺めていました。
帰宅後はみんなから歓迎され喜ぶ娘。
病院へほぼ毎日会いに行き、それ以外はLINEでやりとりしてそれなりに身近に感じていたにもかかわらず、我が家に娘が居るってことが、どれほど幸せなことか思い知らされました。
久しぶりに家族4人で囲む食卓、他愛のない会話にものすごくよく笑う娘。ちょっとしたやり取りにも爆笑して喜ぶ娘。
泣きそうになりました。
翌日、朝食、昼食、夕食全て、娘のリクエストに沿ったメニューを用意し、必ず家族4人全員で食べました。
娘はどれも美味しいと言いながら嬉しそうに食べてくれました。
娘の笑顔を横でいつまでも見つめていました。
そして、
あっという間に病院へ戻る時間がきました。
みんな名残惜しさでいっぱいになります。
クルマに乗り込みました。
僕の運転で病院へ向かう道中、娘と夜景を見ながら会話していました。
急げば40分で到着する病院へ1時間以上かけて戻りました。
病室へ戻ると、看護師さんやおなじ病室の子たちが笑顔で暖かく出迎えてくれました。
ここも、もうひとつのひとときのホームのように見えました。
そして第2段階の治療がスタートしました。
最初の初っ端の投薬がキツかったみたいで1週間ほどダウンしていましたが、それが空けたら元気ハツラツで入院生活送ってます(笑)
ただ、この頃くらいからコロナ感染拡大の脅威により、病室にも影響がきました。
元々面会制限のある病室。家族は僕とカミさんのみしか付き添いという名目で面会が許されていないんです。しかも僕とカミさんは同時に入室はできない。そんな制約があるものの、そのルールを守れば僕たちはいつでも会いに行けてました。
それがさらに厳しくなり、来院は物資配給程度の必要最低限の来院にしてほしいということになりました。なのでほぼ週一のみの来院となりました。
親ですら気兼ねなく会うことが許されなくなりました。
こればっかりは仕方がないのですが、やはりショックでした。
が、実はちょっとホッとした部分もあります。
そもそも僕は、仕事中にいつ、どこで、どんな場面で、保菌してしまい病院へ持ち込んでしまわないかいつもドキドキで不安でしたが、結局娘会いたさに、手洗いはもちろん服も着替え、保菌しないように気を付けつつ病院へ行ってしまっていたのです。
ある意味病院側から通告されて、万が一という可能性が減り、逆にあきらめがついたというのも心境としてはあります。
ただ娘は、仕事帰りに毎日会いに来た僕とあまりあえなくなるのは当然さみしかったようで、ある日、涙が止まらないというLINEが届きました。
会いたい気持ちは僕たちも同じ。
コロナが憎かったです。
本当にコロナが憎い。
ただでさえ辛い治療なのにコロナが余計に娘を苦しませています。
できるだけ早い終息を願うばかりです。
そんなこともありましたが、なんとかイロイロ手を尽くし娘も気持ちを持ち直していき治療を続けていきました。
やがてゴールデンウィークも明けていきまいた。
娘の状態は本当に良く、治療スケージュール通りに進んでいます。
コロナの脅威にさらされながらも、娘は徐々に回復へ向かって確実に進んでいます。
しかも、6月上旬くらいから始まる第3段階の治療から、1週間ごとの入院治療と自宅治療を交互に交えた治療に入ります。
本当はもっと先になる予定の治療が早く訪れました。
こんな時期に自宅治療か~と、なかなか神経使うことになりますが、娘が自宅にいることの幸せはかけがえがないものです。
今後とも家族みんなで全力で娘をサポートしていこうと思います。
というわけで、現在の近況報告でした。
もうちょっとラフに書こうと思ったんですが、スイッチ入ってしまいした(笑)
次回は余談みたいな感じで、ちょっとしたネタぶっこんでいこうと思います( ´∀`)