杉崎シュンペーターです！
もうすっかり夏ですね！
さて、７月と言えば七夕ですね！
僕は神奈川県出身なので、平塚市で開催される七夕祭りによく行っていました。
旧暦(8月7日)に開催される宮城県の仙台七夕祭り、愛知県の安城七夕祭りと合わせて三大七夕祭りと呼ばれているらしいです。
三大七夕祭りのひとつを担うだけあってかなりの規模で毎年200万人前後の人出があります。
そんな平塚七夕祭りはヤンキーに絡まれるスポットでもありました。毎年のように友達と遊びに行き、そして毎年のようにヤンキーに絡まれていました。
これは僕が中３と高１の時の七夕祭りのお話しです。
中３で受験を控えていた僕は、これが最後の遊びだと言わんばかりに一緒に行った友達と出店の食べ物を食べたり、馬鹿話をして楽しんでいました。
その時です。後方から、
「てめーら、うるせーよ！ああんっ！？」
土地柄、一瞬で状況を理解した僕は恐る恐る振り返りました。
「てめーら、ドコ中だよ？ああんっ！？」
ベタに中学校名を聞いてくるヤンキー。
一体、ドコ中ならセーフでドコ中ならアウトなのか。
ちなみに人数はこちらが四人で向こうが六人、基本的にヤンキーは自分達より少ない人数のグループにしか絡みません。
「てめーら、裏来いよ、ああんっ！？」
この語尾に毎回「ああんっ！？」を付けてくる、猿顔で手が異様に長い、まるで人語を解するオランウータンのようなヤンキーはグループの中でも一番弱そうな僕に目をつけて
「てめー、名前なんだよ？ああんっ！？」
とか
「てめー、タバコよこせよ、ああんっ！？」
とか何かにつけて絡んできました。
(ちなみに僕は今も昔もタバコ吸ってません)
絡まれて嫌でしたが事を荒立てたくない、少なくともヤンキーグループよりは大人だった僕のグループは仕方なく後をついて行きましたが、200万人の人出があるお祭りなので裏も表もありません。どこもかしこも人だらけです。しかしそれが救いとなってケンカには発展せずなんだかんだで解放されました。
そんな事が日常茶飯事で起こる七夕祭りでしたが、行くとやっぱり楽しいので高１の時にも高校で新たに出来た友達と遊びに行き、お化け屋敷で叫んだり、馬鹿話をして楽しんでいました。
その時です。後方から、
「てめーら、うるせーよ！ああんっ！？」
聞き覚えのある声と、特徴的な語尾。
まさかと思い去年よりも恐る恐る振り返りました。
「てめーら、どこ中だよ？ああんっ！？」
このベタな台詞、やっぱり。
そうです。前年に絡まれたオランウータン(ヤンキー)に一年後にまた絡まれたんです。
この200万人の人出がある平塚七夕祭りでまた会えたのです。というか絡まれたのです。
まるで年に一度だけ会える織り姫と彦星かのように。
僕はなんだか抱きしめたい気持ちになりましたが、去年とは違うグループで行ったので共感してくれる友達はおらず、オランウータンもそこまでの記憶力は無いのか、それとも毎年沢山のグループに絡んでるからなのか僕の顔なんて覚えてません。
振られた気分になりながら裏を探して歩きましたが、その年の人出もかなりあり、しばらくして解放されました。
あれからそのヤンキーには一度も会っていません。
なぁ、おまえ、今頃なにしてる？
あれからどうしてる？
進学だとか、就職だとか
職場の人間関係だとか
色々、辛いことあると思うけど
きっとおまえならやれるよ
なにしろ、おまえは
人間の言葉を理解した
オランウータンなんだから
なぁ、おまえ、今頃なにしてる？
大切な人は出来たのか？
食欲だとか、性欲だとか
睡眠欲だとか
色々、抑えられないことあると思うけど
雌のオランウータンを
檻に入れられるの待ってるだけじゃ
始まらない
きっとおまえなら見つけられるよ
なにしろ、おまえは
人間の言葉を理解した
オランウータンなんだから
夏のはじまりに、ちょっぴりおセンチな気分の杉崎シュンペーターでした。
それでは最後に
『七夕当日にバタバタしてて七夕飾りどころじゃなかった家庭の七夕飾り』
の消しゴムはんこでお別れしましょう。
