みなさんこんにちは。
今日はよくわからない物語にまったく関係ない挿絵を入れてみたいと思います。
俺はミケランジェロ3世。
この街ではちと名の知れた男だ。
もし、君が何かの入り用でこの街を訪れるようなことがあったら名前を出してみてくれ。
酒屋であればたらふく飲ましてくれるし、宿屋は平気で一週間は泊めてくれるだろう。
人間生きてればいろんな障害にぶつかる。君もそうだろう。そんな時に俺が出て行って邪魔な物を取り除いてあげるんだ。便利なもんだろ?だから感謝される。
基本電話一本でどこでもかけつける。
たわいもない依頼からとんでもない死線をくぐり抜けたりまあ色々だ。
今まで色んな依頼を受けてきたがこの間の依頼は特に変わっていた。
あの日…確かチンピラの揉め事かなんかを片付けた後だった。奴からの電話が鳴ったのはそんなひと仕事終えた体にシナモンたっぷりのホットミルクを流し込み、ラジオ番組ウィンターアイランドショーを聴きながら落ち着いていた頃だった。
ジョータカマツという東洋人だった。
やつの依頼はある一匹の猫を探して欲しいというものだった。
相当溺愛した猫らしくその言葉の節々に悲壮感が挟み込まれていた。
「………本当に大事な猫なんです………あの猫無しの人生は考えられません………どうか………どうかお願いします………」
「………私に依頼したからにはもう大丈夫…明日の朝には愛する愛猫の頭を撫でながら美味しいホットミルクが飲めますよ………」
「………ホットミルクは好きじゃありません……」
「………………………猫の特徴は?」
「………はい。色は黒で瞳はエメラルドグリーン………大きさは大体このぐらいです………」
「…………このぐらいじゃわからないな……」
「………本当に大事な猫なんです……お願いします………」
「………私に任せれば大丈夫……」
「………はい……信じています……」
「………色が黒……瞳がエメラルドグリーン……」
「………はい……そうです………」
「………大きさはどのぐらい?」
「………大きさは縦がこのぐらいで横がこのぐらいですね………」
「………このぐらいじゃわからないな……」
「………本当に大事な猫なんです………」
「………私に任せれば大丈夫……」
このやりとりが永遠と続いた。
あれからどれぐらいたっただろう。
ほんの数日の気もするし、何十年も経った気もする。
まだ私はその猫の大きさを聞き出せないでいる。
今日の夕刻また奴から電話がかかってくる予定だ。
きっと聞き出すことになるだろう。私にかかれば造作も無いことだ。
俺はミケランジェロ3世。
この街ではちと名の知れた男だ。
おわり