魔王サドゥアルがセレノスの騎士ローランに討たれ、「第一次魔王戦争」が終結した後…
長く苦しい戦に倦んだ人々は、多くの犠牲を嘆きながらもようやく訪れた平和を楽しまんとしていた。
しかし、先人たちは言う。昨日の友は今日の敵、と。人は艱難は共にできるが富貴は共にできぬ、と。
人々の願いも虚しく、神聖同盟の旗の下に集った諸国は取り合った手に武器を握り、再び相争う動乱の世に突入するのであった…
アムリアス王の治世25年。
ヴァルベロス帝国の選帝侯フォーゲルベルク公ゴットハルト・フォン・ファルケンシュタインが後継者を定めぬまま急死。2人の息子ハインリヒとマクシミリアンの間で継承争いが勃発した。
当初はハインリヒ側が優勢だったが、マクシミリアンの優れた軍才の前に次々と拠点を奪われていく。これを見た有力な騎士たちは雪崩を打ってマクシミリアンの下に馳せ参じ、ハインリヒの敗北は時間の問題となった。
窮地に陥ったハインリヒは、外に援軍を求めることを決断。救援を要請する先として選んだのはセレノス王国。妹エレオノーラの嫁ぎ先であるという縁に加え、魔王が倒れた今、大陸最強と言えるセレノスの国力を頼りとしたのだ。
エレオノーラの夫マティアスはこれを了承。ファルケンシュタイン家の後継者争いに介入すべく、自ら大軍を率いてフォーゲルベルク公領に向けて出陣した。

強力な味方を得て安堵したハインリヒ。しかし、セレノス王国軍が到達する前に、国外の大勢力を呼び込むことの不安と怒りに駆られた家臣たちに暗殺されてしまう。
ハインリヒの死去により戦の大義名分を失ったセレノス王国だが、王太子マティアスはエレオノーラとの婚姻を通じ自分こそ公位継承に相応しいと主張。
これに対し、ファルケンシュタイン家は領内から騎士、傭兵、領民兵を召集。総動員体制に加え、マクシミリアンが旧ハインリヒ派も味方として受け入れると宣言したことで、当初より多くの戦力を集めることに成功した。

しかし、大陸最強のセレノス王国軍は一方面軍といえど相応の戦力を有しており、一諸侯領の力で抗し得るものではなかった。マクシミリアンの懸命な指揮と将兵の奮戦虚しく、ついに主城シュヴァルツファルケンベルク城まで追い詰められてしまう。

圧倒的大軍で攻め寄せるセレノス王国軍。

戦力差にも怯まず、「狙うは王太子マティアスの首一つ」と果敢に打って出るファルケンシュタイン家軍。

セレノス王太子マティアスは既に勝利を確信し、将来母国の王冠に加えヴァルベロス皇帝の帝冠をも戴く自らの姿を思い描く。

攻城用の梯子を持ち出すセレノス兵と、城壁の陰から奇襲を仕掛けるファルケンシュタイン家兵。

懸命に防戦するも、セレノス騎士の形を取り背後から迫る絶望…

戦の帰趨はいかに…!

ということで今回は普段と趣を変えてショートストーリー風にしてみました。
以前にジオラマ作成した際に浮かんできたアイディアを形にしたのが上記の物語です。
https://twitter.com/stephanlego/status/1432615769074909189?s=21
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いずれ「魔王ローラン」を執筆する際、フォーゲルベルク継承戦争も物語に組み込もうと思っています。
いつになるかはわかりませんが、お楽しみに!