センバツが終了した。
大会を最後まで見ることはできなかったが、相変わらずの高校野球人気にただただ驚くばかり。
ただ、なんか、高校野球の進むべき方向性というのは、結局、置き去りにされたままな気がする。
タイブレークの導入に踏み切ったのはいいけど、メディアはその意図を分かっていないというか。。。
ようやく日本高野連が動いたのは、ご存知の通り、投手の登板過多の問題に少し舵を切ろうということだった。ひとまず、再試合をなくすことから始めるにあたり、それがタイブレークの導入だった。
イニング制限や球数制限に進むのは簡単ではないけれど、日本高野連の竹中雅彦事務局長が「次善策」だと公言しているわけだから、高校野球も変わろうとしているのに、報道といったら、なんにも変わろうとしない。
タイブレーク導入っていっているのに、○○○球の熱投と称賛するのはおかしくない?
いや、そんな投げさせたあかんやろ!っていう声がメディアから出てこないといけない。
大手新聞社を中心に、昨今、投手の登板過多について考えているような報道が出てきているけど、結局、彼らがやりたいのは、本気の改革ではなくて、世間の意見に対して迎合したいだけ。
働き方改革など、昨今の世の流れが、個人のアイデンティティを尊重しようとしているから、我々も、一人の高校生がつぶれることを心配していますよって。出しているだけ。あるいは、PV稼ぎだ。
180球も投げて連投していいわけはない。
そのためのタイブレーク導入っていうのが始まったのに、この能天気さには、同じメディアとしてあきれる。
その程度のジャーナリズム精神で、正義を語るのは止めてもらいたい。
甲子園は勝つためだ!って、180球を投げさせる監督がいることは今に始まったことじゃない。個人的には賛成しないけど、タイブレーク制度導入が決まっても、それをするわけだから、監督は相当な覚悟を持ってやっているはず。それはそれで一貫した姿勢として評価できる。そういう哲学の持ち主だということ。
僕のもとには、時に、ライターの仲間から、「僕は氏原君の意見とは反対だ」と言ってくる人はいる。「いやいや、投げてこそ!成長すると俺は思う」といった意見だ。そう思う人を僕は嫌いじゃないし、そうやって信念を持って活動をしているのはむしろ立派だとおもうから。
そのどちらもなくて、正義感ヅラするのだけはやめてほしい。
まぁ、今回で彼らの行動が偽善だということが証明されたので、良しとするけれど。