手術の際に郭清した直腸の周りのリンパ節に癌が転移しているかどうかの検査結果は、退院日前日に判明した。

40個郭清したうち10個に転移が認められたということで、つまり私の癌はステージⅢbと決定した。

リンパ節に転移があるということは、がん細胞が直腸に留まらず、血液に乗って他臓器に回ってしまっている可能性があるということから、ステージⅢb以降であれば、手術後に再発予防で抗がん剤を投与するのが標準治療だとのこと。

そして「効き目が強いものは副作用も強い。副作用が少ないものは効き目も弱い。どうする?」と医師。

「うーん。でも、目に見えるがんは今はないわけで。予防って言ったって、そんなこと可能なんですか?」と、効果に疑問を感じて聞いたら、

「抗がん剤をやると5年後生存率が60%から70%に上がるという統計はあるよ」と言う。

でも私は「10%アップのために効果があるかどうかわからない毒(としか思えない)のようなものを、自分の身体に入れる気にならない。やりません」とキッパリ断った。

すると医師はすんなり同意してくれ、「こまめに検査をして再発を早期に発見したら手術でまた取ればいい」と言ってくれた。

ある意味、“賭け”だったが、勝てる気がしていた。