今日は福岡県内のとある病院へ
その病院では万が一、医療事故が起こった場合の責任の所在についてしっかり考えられていましたのでシェアさせていただきます
病院にはなくてはならない医療機器。
当然、非常に精密で高価なものです。
患者さんを管理する上で非常に重要な役割を果たす一方、機械である以上、いつかは壊れるのが宿命ともいえます
そして、この「いつかは壊れる。」現象。
これがいつ起こるか が、医療事故と切っては切り離せない問題なのです。
患者さんに使用する前の点検中に故障が分かれば問題ありません。
他の機械を使えばいいだけです。
しかし、患者さんが使用している最中に壊れることも十分考えられますよね
しかもそれが人工呼吸器など患者さんの命を直接預かるもので会ったら
仮に壊れても適切な処置ができれば医療事故は防げます。
しかし、万が一適切な処置がとられなければ・・・
人間が管理する以上、どうしてもそんなリスクは存在してしまうんですね
万が一そのような医療事故が起ってしまった場合、責任の所在はどこにあるのでしょうか
その時、大きくソフト面とハード面で切り分けて考えます。
まずソフト面
・事故を防ぐための制度がきちんと機能していたか
・患者さんへの適切な処置がとられていたか
という、観点です。
次にハード面
・医療機器は適切に動作していたか
という、観点です。
ここで、私が着目したのがハード面の方です。
ひとえにハード面と言ってもさらに原因は細分化されます。
①医療機器自体にリコールに該当する不具合があるのではないか
②医療機器の保守ができていなかったのではないか
③医療機器の使用方法に誤りはなかったか
これらをしっかり細分化し、責任の所在を突き止めないといけません。
①リコールに該当する不具合であれば、メーカーの責任です。
②保守ができていなければ、病院内の機器管理体制の問題となります。
③使用方法に誤りがあれば、使用者および監督者の責任ですね。
これで99%の医療事故の責任の所在について明確化されます
しかし
漏れてる案件が一つありました
それは
「医療機器が代替機だった場合。」です
当然、メーカーがきちんと保守点検を行っていてトレーサビリティが取れているものであれば問題ありません。
しかし、私が医療に携わってきた中で感じた現実・・・
それが
「保守管理の行き届いていない中古機器を無償で貸しているケースが結構ある。」という現実です
これは
「代替機は無償で持ってくるべき」と考える医療機関側と
「無償で貸すので、新品を買ってよね」と考えるメーカー、ディーラーの事情により発生しています。
この関係、特に問題なければ一見Win-Winの関係です。
しかし上記のような医療事故が起こった場合、大変なことになってしまいます
・壊れる器械を持ってきたのはメーカーだからメーカーの責任
・無償の器械を使って診療報酬を取ってたのは病院だから病院の責任
・この器械はいつ保守点検をしたの
・そもそもこれはどこから持ってきた器械
懸念事項を挙げればきりがありません。
患者さんにはどう説明すればいいのでしょう
責任の所在があまりにも不明です。
このような悪しき風習は、今すぐになくさないといけないですよね
そして、この風習をしっかり払うことができるサービスこそが「医療機器 レンタル制度」なのです
今日お伺いした病院はそのあたりをしっかり認識していただいていて、非常にうれしく思いました。
・器械は有償で借りましょう
・トレーサビリティがしっかり取れた機械を使って適切に診療報酬を受け取りましょう
・保守点検をしっかり行って患者さんにいいサービスを提供しましょう
医療先進国である日本で、しっかりしたサービスを提供することが我々に課せられた使命だと考えています