70歳を生きる照子と瑠衣の

シスターフッド(女同士の連帯)が描かれている事に魅力を感じ、読むことに。映画のテルマ&ルイーズを意識して描いているのは、題名に露骨に表れている。導入部はほとんど愛想を尽かした夫のために作った美味しそうな料理の場面。食の快楽から読者を導く。夫と離別を考えているのに、妻の情けのあり方が、それまでやるべき事をきちんとやってきた律儀な性格を語っていて、共感を覚える。偶に出てくる比喩が不自然でなく、文章として面白い。ただそんな事あるはずがないと突っ込みを入れたくなる展開に愛想を尽かしたくなる事も事実。細部が安直だ。一番肝心な照子と瑠衣のキャラクターには魅力を感じるが、ほとんどの登場人物が、人間が普通に持っている複雑さに欠いていて、納得出来ない。恋心を抱かれ、一晩二人で過ごすというエピソードも、恋心そのものの単調さと共に、展開に納得出来ない。ラストの章も、終わらせ方に工夫があるが、照子と瑠衣の幸せのあり様に、説得力が無かった。