とはいえ、参観日や小学校の役員の仕事があるとき以外は、休診日も大体診療所で仕事をしています。
米倉涼子さんのドクターXでは、ありませんが、
失敗しない矯正医を目指すには、豊富な知識と綿密な治療計画の立案はかかせません。
検査の結果の分析などは、外注したり、スタッフにまかせるのではなく、ミスによる誤診断を防ぐため、すべて私が行っています。
検査で撮影したレントゲンの計測結果による顎の形や位置、大きさ、現時点での歯並びだけでなく、顔写真、鼻で呼吸できているか、イビキ、口腔習癖はないか、アレルギーはないか、患者さんの性格、治療に対する希望、ご家族の協力が求められるかetc、総合的な判断のもとに治療方針を決定します。
矯正治療には流派のようなものがありますが、どれか一つの流派だけでは、すべての患者さんの治療には対応できないと私は思っています。だから、この人にはこのメソッド、あの人にはこのメソッドとこのメソッドを組み合わせて、とありとあらゆる知識を総動員して治療計画を立てます。
治療がはじまっても、来院されるたび、最初に考えた通りにただ漫然と治療を行うのではなくて、治療による変化に合わせて、その時一番ベストな治療を行わなければなりません。
似たようであって一人として同じ患者さんはいないので、時には判断に迷うときもあります。矯正専門医として開業していますので、とんでもない難症例のかたもいらっしゃいます。
というわけで、休診日は、検査が終わり治療開始の人から治療中の人まで、あーでもない、こーでもないと頭を悩ませています。
そんな時に、
ピンポーン
とチャイムの音です。
たいていどこかの会社の営業の人です。
看板を出しませんか、情報誌に宣伝をのせませんか?掃除機を買いませんか、などなど。お菓子の売り込みもありました。
そんな中で定期的に何故か訪れるのがエアコンの営業の人です。
開業して何年もたっていないので、エアコンを買うわけもないので、その都度、まだウチのはあたらしいのでとお断りするのですが、数ヶ月するとまたやってこられます。
それがいかにも営業マンという感じでなく、小柄でひょろひょろとした方で、パワハラ上司にいじめられているのではと心配するほどです。
なるべく優しく
前も要らないっていいましたよね?
というと、
え、そうでしたか?
と。
とぼけているのか、すっかり忘れ去ってしまったのかわからなくて、彼が来た日はモヤモヤするのでした
